お花結び

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そよ風ロマンス第2章(水際クライシス2)

【21781文字】
そよ風ロマンスシリーズの第2章。
前半は変態遊び。番犬病みに病んじゃいまして、壊れます。話の内容もぐちゃぐちゃですが、書く文章もズタズタ汚い。しんどいけれど虐めたい……。
後半は病気療養です。こういう病気(変態性癖)に完治はないので、寛解と憎悪(ぞうあく)を繰り返させます。こんなだけど飼い主は至って正常(?)です。まだまだつられている程度。ドはまりさせるのはもっと後。の、予定……そこまで無事にたどり着けるか?

手当

「ザッキー」
汗を軽くシャワーで流して、ドアを開けたら王子がそこに。
「……何スか?」
「ん、それ痛いと思って」
指された胸の粒を見れば、腫れて赤くなっていた。
「正直、あんた吸い過ぎです」
俺の言うことは全く無視して王子が差し出したのは絆創膏だ。さすがにそれはないと思う。
「いいッスよ、そんな」
「じゃあ貼ってあげる。手、どけて」
「やめてくださいって。そんなの目立ってしょうがな……」
王子が言うことをきくわけがなく、かつ俺はあまりに無力であった。嫌で、嫌で、泣きそうになる。王子は俺が嫌がることを、腹が立つほどよく知っている。
「はい。これで痛くない」
「……」
「着替えの時とか気を付けて?他人が見たらさすがに笑う」
そういう王子こそが真っ先に、胸元を見てふき出していた。
(ああ、なんでこんな目に)
きっとこれは王子の本物の笑顔で、俺が生んだ喜びなのだと、心のどこかが疼いてしまう。どうしてこんな人なのだろう?そんな疑問の波に包まれながら、このどうしようもない人に俺だけは傍にいてあげるんだと、そっと抱き締めたくもなる。無意味な思いとわかっていても、この気持ちが俺にまだあるからこそ、正気を保てているとも思う。
(正気?ああ、俺はまだそんなことを……)
愚かな手当てを胸に受けつつ、自分だけは正常だなんてへそでお茶が沸いてしまう。王子と一緒に笑い転げる、無様が一番正解だろうに。
(大概頭がいかれているな……王子も、そしてこの俺も)

*

 一旦帰って用意して、ロッカールームでこっそり着替え。
(本当になんで……いっつも、こんな……)
チラリと王子と目が合って、でも何もなかったかのようにスルーした。それからずっと一日中、胸の違和感に振り回される。昨日に体が引き摺り込まれて、今日に戻って来れなくもなる。
(駄目だ……どうしても意識がそっちの方に……)

「ザッキー。なんか弛んでない?」
みんなの前でなじられて、でも王子の目の奥が笑っているので、いたずら心とすぐわかる。

「初動が遅い。寝不足かい?」
休憩の時の説教中、指で突くのがわざわざそこで。
(くそ、だからってそういうのは、マジやめろ)
「ん?なんだい、その目」
「……っ」
明らかに、確実に、公然の面前でこの人は馬鹿げた遊びを楽しんでいた。
(やめろ!今声が出るとこだった)
なんて愚かで人の悪い、無邪気で愛しい俺の飼い主。爪が痛くて気持ちがいい。体に昨日が蘇る。
(やめ……待っ、勃……っ)
ともすれば忘れる些末な部位が、ズクズク疼いて息苦しい。
「ザッキー、聞いてるの?」
「くっ、ぅ、」
周りにこんなに人がいるのに、奴隷のスイッチがオンになる。何か言い返すのが普通だろうにと、みんなに変に思われる。歯を食いしばり必死で我慢し、でも俺がこんな時こそ王子は特別容赦がなかった。
「返事は?」
冗談めかしの明るい口調で、ぐりぐり傷を刺激してきて、耐えられなくて涙が浮かぶ。
(う……頼むからこれ以上……マジでシャレになん……)
天の助けかたまたまか、ようやく休憩の終わりの合図が聞こえた。

*

(嫌だ……もう限界だ。あの人、本気で頭がおかしい)
 シャワーも浴びずに逃げ帰り、絆創膏に手を掛ける。
「……っ」
ほんの端を少し剥がして、その感覚に身悶えた。そんな自分に反吐が出た。
(チクショウ、こんなっ)
今までにない強い恐怖に、慄きながら小さく喘ぐ。
(これ以上無理……絶対無理、もうこりごりだ!絶対社会的に殺す気だった!俺を晒して、梯子を外して、人生丸ごとめちゃくちゃに)
全然力が入らない。体がイキって動けない。無様な胸元に途方に暮れつつ、昨日の快楽が蘇る。
「あ、あ、駄目、そんなつもり全然ない、のにっ、嫌だ、なんでこんな、勝手に……」
体を強張らせてやり過ごす。でも、延々開発された体が、簡単に悪夢を思い出すから。

――そんなに気持ちがいいの?

ベッドの上に座って後ろからギュッと抱き締められて、耳元で囁かれながら胸を揉まれた。平らな胸板に両手の指を食いこませ、女のみたいに丹念にこねくりまわされた。ジンジン腫れる部分は焦らされ、時々掠めるように嬲られながら、勝手に出てくる声の羞恥も、気持ちの良さの燃料と化し。

――嫌?じゃあ、そのいやらしい声もっと出そう

馬鹿げた促しに酔って身悶え、波に、王子に全てを委ね、体を弄られイくのを覚えた。すごく気持ちのいいものだった。

――脇と脇腹のこの辺、ふふ、そうそう、くすぐったいね……我慢しよう、そのうちすっごく良くなるよ

(やめ……これは俺の体なのに……っ)
絆創膏越しの刺激は手ぬるくて、でも剥がすことなく揉みしだく。媚びうるような喘ぎ声、王子、王子、と甘く、熱く。
(嫌だ……とまれ、やめろこんな無様なことなんて……)
そんな瞬間携帯が鳴り、俺は相手の名前にしばし躊躇し、けれども素直に応答をした。
『ザッキー。勝手に帰っちゃ駄目だよ』
声だけでイってしまう寸前だった。不気味に朗らか、耳を嬲る。呼吸が全然整わないので、返事もろくに出来ないでいた。
『拗ねてるの?』
波がなかなかやり過ごせない。とっくに気付いているだろうに、くだらない話を王子は続ける。逆らえもせずに大人しく聞く。
『というわけで、まあ、安心して。変な様子に気付いた人には、来る途中に車を擦って気落ちしているみたいだとかなんだとか、適当にそれらしい話をしておいたから』
なるほど王子は機転が利いてる。程よく普通な言い訳だ。そう、王子は嘘に長けていた。他人を掬い上げるのも、逆に陥れるのも、自由自在に見事にこなす。火がついたままの俺のことも、わかっていながら電話を切らない。
(ああ、王子の声……耳からやられる……)
蕩けるみたいに項垂れて、タイミングよく王子が言った。
『ザッキー、君の顔が見たいな』
これ以上ないほどの絶妙さで、指示が耳から沁み込んでいく。
『一回切るから、君から掛けて』
王子はいつでもこんな人。尊重するようなやり方で、徹底的に服従させる。やる気がないならもういらない、言外にそれを匂わせて。
「……くそっ!」
そう長くもない葛藤の後、半泣きになりながら映像付きの電話を掛けた。俺の体は限界で、もうどうにも出来ないのだ。
『やあ、ザッキー』
情がなくて、冷酷で、知的に他人を貶める。一見柔和で人当たりもいい。まさに理想の俺の人。死にかけにして甘やかし、どんどん俺を駄目にする。王子が笑う、ただそれだけで。
『さて、上手にちゃんと出来るかな?昨日は僕達頑張ったしね』
映像から王子が車にいるのを知った。帰宅の途中か、お出掛けか。そんな寸暇に、忘れもせずに、俺にちょっかいを出してくる。王子の日々に俺がいる。僕達だなんて二人、束ねて。
『全身見える角度がいいな、そう、その辺りに置いてみて』
どこかで、誰かの声が聞こえた。多分助けてなんて本音の思いで、王子は、静かに、なんて優しく笑って、逃げ腰を寝かしつけている。
『そうだよ、自分で一杯胸も触って。痛くない?大丈夫?』
俺は何をやってるのだろう。何をさせられてしまっているのか。
『感じて、もっと。もっと扱いて』
違う、自分で勝手にやっているのだ。
 指示され、カメラを切り替えた。王子が見ている俺が映った。足を広げて乳首を弄って、うっとり口は半開き。いつもこれを見られていたかと、そんな現実を目にした途端、
「んぅっ……!!」
猛烈な快感が突き抜けて、対応も出来ずに一気に達した。
(あ……凄い、こんな一杯……)
自宅で射精に成功したのは、随分久しぶりだった。治療の成果があったのを見て、王子は諸手で喜んでいる。白濁は飛び出し、股間や部屋を惨めに濡らし、それすら全部王子が見ている。
『ん、上手。いい子だね』
と王子に褒められ、幸せだった。ビクンとなってまた少し出た。
(駄目だ、こんな……ああ、俺がどんどん壊れてく……)
もう二度と、とか、また出したい、とか、そんなことすら取り留めもなく、ただただ俺は足を広げたまま呆然として、でもふわふわ気持ちが良かった。なんだか色々王子は言って、けれど頭に入ってこない。
(……片付ケ、シナキャ……デモ、王子ガ、マダ見テイルシ、コノママ暫ク晒シテオカナキャ……)
何が治療だ。そんなの茶番だ。本気なら病院に行くべきで、それも受診するのは泌尿器科じゃない、今の俺が行くべきは。
(マトモジャナイ……コンナ行為ニ、ド嵌リヲシテ)
 吐き気を催し、胃液が出てきた。少し胃もやられてきている。
(俺モウ……)
最近、どちらかというと俺は放置されつつあった。昨日は久しぶりに家に呼ばれて、今日も仕事場で遊んでくれて、そういう王子の心遣いで、射精が自宅で出来てしまった。王子は色々言っていた。その時はわからない気がしていたが、本当は全部ちゃんと聞こえた。

――この分なら、明日は一人で出来るかな

捨てられる。そんな思いがひしめいて、無視をしようと決め込んだのだ。でもそんなの無理だった。王子はこの頃忙しく、触るは愚か、会話も減って。
「ぅえっ、え……っ」
捨てられたくない。逃げ出したい。毎日会いたい。開発されたい。自分を全部王子に差し出し、抱き締められて壊れたい。
「あ、ぅ……っ」
嗚咽のような吐き気のような。顔をぐしゃぐしゃに涙で濡らし、懲りずに必死に股間を弄った。もう何も考えたくない。ただ気持ち良くなっていたい。
(イきたい、イきたい……今すぐ、イきたいっ)
出したくってたまらなくって、でもここでそれが出来たら、王子の治療が終わってしまう。俺の本音はどこにあるのか、勃ったり、萎えたり、繰り返し、まともに射精出来そうにない。
(いや、王子、嫌だっ、助けてっ)
どれくらいそうしていたのだろう。気付けば夜になっていた。王子の補助で出たものが、渇いてこびりついていた。あまりに惨めにシーツを引き摺り、洗濯は明日だと現実に戻る。俺はすっかりどうかしていて、でも風呂上りにはもらった薬を胸に塗り、イけないながらも感じ続けて、堂々巡りを延々続けた。
(王子、会いたい……)
駄目なことだとわかっているのに、王子に触れて欲しかった。そうして体中を玩具にされて空になってしまいたかった。