繋がりのゆるさの大きな努力
【20093文字】
20201015ジノザキデー。本誌ネタバレ要素、ジノ←モブ♂の気配ちらり、注意。トノさんに全く腐要素なし。もっと言うならジノザキも厳密にはまだそこまで至っていません。もともとジノザキに殿山さん入れた話を書いていた時に本誌がオーバーラップしてきちゃいまして、あれこれ面白おかしく触っていたらこうして無事に遅刻しましたorz
「王子、ほら起きて」
「んー……」
「あんたねぇ、なんでそんな俺より疲れてんスか」
シャワーから出てきた赤崎は、ソファで居眠りをしているジーノに文句をつけたが、当の本人は寝ぼけ眼で、ぐずぐずと寝汚く身を捩る。
「ったくもう」
ジーノの目の前にしゃがみ込み、今度はそっと囁いた。
「寝込み襲われても知らねぇぞ?」
返事はない。赤崎は、ふふ、と笑ってしまう。女に優しく、男に厳しい、そんなジーノが自分にだけは間抜けな寝顔を晒して眠る。
「マジ寝?それとも狸ッスか?ね、王子。聞いてます?」
覗き込む赤崎の顔に寝息が届き、心臓はドキドキ落ち着かない。
「ね、本当に……いいンスか?」
今日の練習の手ごたえが心も体も冴えさせる。
(王子……)
そのキスはまさにこわごわと、眠りを壊さぬ優しさで、唇のぬくもり、柔らかさ、ただのいたずらのはずのつもりが、名残が惜しくて離れられない。
(もっと王子、ちゃんとしたい……)
求められるがままに呼応して、ふわりとジーノが腕で抱き寄せ、ニ、三、甘く唇を食み、ようやく、
「……ん?」
と薄目を開けた。
「起きました?」
「ん……、んー……」
(駄目か。ならもっとしっかり襲っ……)
眠気で緩んだ口の隙間に、ちろりと舌を滑り込ませる。呼び水に意識を取り戻しつつ、キスの合間にジーノは言う。
「……何だい?溜まっているの?」
「言い方」
「だって、そういうことでしょう?」
不快な顔を隠そうともせず、赤崎は憮然と小さく呟く。
「伝わったんなら……行きましょ、王子」
泊りたいと言えばおいでと呼ばれ、したいとねだればしてくれる。ジーノはいつも受け止める。それが時々怖くなる。愛しているかと真顔で問えば、心が壊れる、そんな気がした。
「なんだか感度凄くない?」
ぐったり寝入ったジーノを起こして、半ば無理矢理奮い立たせた。チームの要、かけがえのない。わかっているのに欲望が勝つ。自分の邪悪と罪悪に、更に体が燃えてしまう。
「かわいい。そんなに欲しかったのか」
ジーノを丸ごと飲み込んで、熱さに溶けてなくなるようで、なのに感覚だけは鋭敏で、動物みたいな声が出る。
「あ、ああっ、」
ビクビクと跳ねる体を抑えつけられ、
「出ちゃった?」
なんて笑われて、それでもゆさゆさ揺さぶられ、口の端から悲鳴のかわりに無力を表す唾液が落ちた。
「じゃあ、こっちでいっぱいイこうね、ザッキー」
「~~っ、!」
ぐちゅぐちゅと卑猥な水音と、肌と骨のぶつかる音と、荒い呼吸と滲む汗、少し生臭い汁の匂い。今日は乱暴にされたくて、口にせずともそうされて、零す涙まで舐められた。もういい、なんて弱音の思いで、それでもまだまだ許されず、何度もイかされ、中に出された。こんな夜はそんなにはない。ジーノは見た目の印象通り、どこかが常に冷静だから。
「どう?ザッキー眠れそう?」
されるがままに綺麗にされて、器用に部屋着を着させられ、まるで子供をあやすみたいにジーノが添い寝で頭を撫でる。燃え盛るような体の疼きは、部屋の暗がりにじんわり溶けて、ふわふわ意識も彷徨っている。
「明日は少し寝坊しよう。練習午後からだったよね」
眠りたくない。眠らなきゃ。思考はふらつき、取り留めもない。撫でる手つきは愛撫ではなく、不思議なほどに温かく、確認できない愛の錯覚、満ちる思いが悲しくさせる。
「ザッキー?」
ジーノが理解しきれなかった。今がなんだかわからなかった。
(どうしてこうなったんだっけ……)
