お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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愛の絶望、祈りの愛

【11173文字】
ジノザキデーの時にちょっと書きかけて没ったもの。割れ鍋に綴じ蓋系のビタースイート。当人たちがOKならという意味でのハッピーエンド。ジノ鬼、ザキつん、一応?ちゃんと?相思相愛です。暴力はないですが人によってはDVっぽく見える場面もあるので注意。(表面上はどうあれ心理的には完全同意のプレイです)

        ジノザキ

 ボロボロになるまで抱いた夜、ザッキーは僕にこう言った。
「マジであんた、ろくでもねぇ……」
僕も同じ考えなので、一緒に笑うほかはなかった。
「来るんじゃなかった?もう来ない?」
「……」
僕の甘えたその一言に、黙る君が愛おしい。

 僕が害悪であることは、紛れもないほど事実であって、言い訳なんかは何も出来ない。人の優しさ、そして脆さを、どう利用するか心得ていて、利用された人間が壊れていくのも知っていた。
(ザッキー……)
人の悪意に鈍感で、人より自罰的な気質で、気が良く、良かれと思って暮らす、そんな仕組みを利用し尽くす。そんな彼が責め立てるのは、それほどのことをしているからで、それでも見限ることもなく文句を言うのはある種の救いだ。
「何スか、狭い」
「冷たいなぁ」
僕は自分が大好きだった。今は少しそうでもない。どうあればいいのかわかるのに、何一つどうにも出来ないからだ。
「いいでしょ、ザッキー抱き締めさせて」
「あーもう、ほんっと人の言うこときかねぇなー」
「ふふ」
気の良さはきっと許しではなく、愛情でなく、恋でなく。それでも一緒に居てくれるのを、狡い僕は嬉しく思う。
(すごいな君は……本当に……)
しっとりと手のひらに馴染む肌。無理矢理僕を受容させてもどこか健やかで強靭で、僕は沢山甘えてしまう。どんなにしても居てくれる?不安で、試して、信じて、怖くて、試して、虐めて、潰して、そして。
「ごめんね」
「はっ、どんだけそういう態度をしても、あんたの性根は知ってるし」
今もたらされているものは、ここだけにある安心感。これがここにあるためならば、僕は何でもしてしまうだろう。
「ちょっと、マジで今日はもう無理だし、王子っ!」
願わくば悪しきやり方でなく、君が幸せになる方法で。
「最後かもとか何言って……、来るから!ちゃんとまた来るし」
君が幸せであるように、この僕が幸せに出来ますように。こんな仕打ちはもう終わりだと、もう一度虐めて、そして眠った。

*

 そして翌朝ザッキーが。
「いや、マジでもう……来ねぇから……」
「はは、またまた御冗談」
「少しは加減……昨日いつ寝たか全っ然覚えてねぇ……」
ヤバい、全く起き上がれない、青白い顔で途方に暮れて。
「……王子?」
「うん」
「いやだから、うん、じゃなく」
「わぁ、本気で動けないんだ」
「痛い、痛い、マジやめて」
「誘う顔して何言ってんの」
「違うー、マジマジのマジだからーっ」
「はは」
結局彼が甘やかすので、朝から再び虐めてしまって、更に意地悪を言うのであった。

「やめて欲しいなら、してって言って」

だってそういう人間だから。わかってくれると知っていたから。

      ジノザキ