ニワトリ、ヒヨコ、君と僕
【11444文字】
猛禽1作目。ぬくめ鳥のお話を何本か書いていますが、これは鷹が憐れなひな鳥に思いを寄せたら?というIF発想で書いたお話です。ジーノ視点版。猛禽の残酷的描写?が3ページ目に出現してます。飼い主は猛禽の自覚が殆どないためかなり困惑。世界観はプリズムの姉妹品? 偽バッドエンド気味な引きになりましたけど、次の赤崎視点版にてドタバタコメディ?寄りな形で完結予定。
彼が挿入を受け入れるのは、それが彼の考え方では僕への奉仕であるからだった。模倣はヒヨコの特性でもあり、順調な発育の徴候でもある。
以前、口淫を彼にした際、僕にもそれを返礼としてやると言い張り譲らなかった。
「されるのはあんまり好きではなくて」
とても驚いた顔をして、やはり羞恥に竦んでしまい。
「ごめんね?」
「いや、いいッス。そういうのは正直、に、言ってくれた方が」
「その気持ちだけで、十分嬉しい」
至らなさを恥じ入りつつも、引くことを知らぬ雄々しい彼は、そういうわけにはいかないと、では他に何をすべきかと、そういうことを言ってしまった。
(変だね。君は既に『されて』しまっただけだったなのに)
意識というのは面白いもので、彼は快楽を『得た』という感覚で、僕に返そうと必死であった。酷く未熟で即物的で、僕とは違う生き物だった。僕は掌握が趣味の人間であり、純粋に事象を楽しんだだけ。端的に言えばただそれだけの、軽い話であったのに。
「んー……」
彼に、性的魅力は感じなかった。口淫自体がからかいついでの、面白おかしい遊びであった。表面上の形式が性的なものであっただけ、そういう意味合いは皆無であった。
「王子……?」
僕は飼い犬に発情しない。獣姦なんて趣味はない。それでも彼は愛らしかった。ギブとテイクの生物に、ギブの遮断を行うと、必ず何がしかの弊害が出る。そういうこともわかってはいた。
「困ったねぇ、うーん、じゃあ……」
僕の自由にさせてと言った。ベッドで抱き締め、朝まで眠った。人の気配はノイズに近く、眠りを阻害する原因なのに、彼とのうたた寝は心地よく、これは名案と考えたのだ。実際彼を抱き締め眠り、その安らぎには驚かされた。肌のぬくもり、寝息の優しさ、彼との眠りは素敵であった。
