お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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だから、つまり、そのことは

超鈍感なザッキーと、奥手(というより酔狂?)なジーノ。
そんな出来てないジノザキが二人で食事に出掛けてダラダラしゃべっている話。系統としてはシリアスでもコメディでも甘々でもない、淡々とした微糖?こんな風になんの起伏もない日常の姿を妄想しているのすっごく好きです。

        ジノザキ

Percio’(ペルチョ)~だから

「そ……そういえば最近どうですか?彼女の方は」
「ん?うーん……」
「王子にかかれば誰でも落ちるだろうに……ホント、変わってますね、その子」
「確かにね」
「椿と俺じゃないけど、なんか気持ちを伝えるために贈り物とか?花とか」
「言ったじゃない。前にあげようとしたら馬鹿じゃないかって突き返されたって」
「ああ、そうでしたね。じゃあ、うまいもの食いに行くとか。今でもマメに誘って一緒に出掛けたりしてます?」
「まあね、その辺はちゃんとそれなりに。でも好き嫌いのない子でね。なんでも美味しく食べてくれるけど、一緒に食べに出たからってこれといって特に感動もないみたいだよ。気持ちもないのに出掛けてるだけなんだから、別にそんなもんだろうけどね。こっちは会えるだけでも感謝しなきゃ」
「まあ普通の男ならともかくあんたは王子でしょう?美形連れ歩いてるだけでも普通は自慢に……」
「自慢?ないよそんなの。大体好みの顔じゃないらしいよ?鼻が異様に高いとか、睫毛長すぎるとか。この前指が長いって言うから褒めてくれてるのかと思ったら綺麗なのが逆にキモイって。ひどくない?さすがに傷付いちゃうよ」
「えぇ?目ェ悪いンスかね?王子カッコいいのに」
「嘘。カッコイイなんて一つも思ってもない癖に」
「あ、いや世間一般的にはって意味で。俺の個人的感想なんてどうでもいいッショ」
「ザッキー、そもそも世間一般の評価なんてクソくらえだよ。肝心の人に響かないものなんて全くの無価値。はぁ、ボクの武器になるものなんて結局なんにもさぁ?」
「ハハハ、まあ、そう拗ねずに」

 こういう姿を見ていると、目の前の完璧で何かを超越している存在に見える男も赤崎の目には極々普通の男に見えてくる。すぐそこにいる、別世界ではない、とても身近な存在に感じ始める。

 丁度ジーノが大きな溜息をついてみせた時に店員が食後のコーヒーを持ってきたので、二人は笑いながらそれを受け取った。

「キミらが本気でボクに贈り物を考えてくれているのなら、あの子をボクのものにしてくれないかな、なんて思ったりもしちゃうね。無理だろうけど。ボクが本当に心から欲しいものは常に決して手に入らないものなんだよ」
「というか、どういうもんでもあんたなら欲しいと思った瞬間に大概自力で何とかしちゃいそうですもんね」
「そうでもないよ」

 恋を語るジーノはとても美しい。コーヒーを眺める憂いすらも。一見強引そうなこの男が手を替え品を替え、一喜一憂しながら必死に女性にアタックし続けているなど誰が思おう?こんなに大事に思われて、こんなに心から愛されて、こんな幸せなことはないじゃないか。早く彼女がそれに気付くといいのに、と赤崎はそんな気持ちで男を見つめる。

「最近はさ。もうそういうの……いいかな、って思うこともあるんだ」
「どうしてですか?」
「どうしてかな、なんとなくね」
「なんとなく?」
「会って、食事して、話が出来て…ほら、あの子はボクにちゃんと時間を割いてくれてる。もうそれ以上望むとかさ…贅沢なのかなって」
「あれですかね。その人、もしかして恋人とかいるとかそういう?」
「え?」
「あ。いや、そういう意味で諦めようって思ったのかなと」
「考えたことなかった…」
「スイマセン、俺、なんか変な事言って」
「ううん、変じゃないよ、そうだよね?ボク実際本人に聞いたことなかったからさ?どうだろ。恋人じゃなくても好きな人とか、誰か……もしかして」
「いや、王子ですもん、一緒に居ればそれくらいわかるでしょう?勘鋭いし」
「……そんなことない……わからないよ」
「多分いませんよ、きっと」
「ちなみにキミは恋人とか好きな人とかいるの?」
「いッ!いるわけないでしょう?なんで俺に話振るンスか!」
「いや、一緒に居ても全然わかんないこととかあるかもなと」
「毎日顔あわせてて……あんたくらい俺が暇人な事知ってる人間はいねぇよ」
「そう?良かった」

「片思いっつーのも、色々大変ッスね」
「まあね」
「この前テレビで人と親密度を深めるには共通の趣味持ったりするといいとか言ってましたよ」
「共通の趣味、ねぇ」
「その人、なんか趣味ないんですか?」
「んー、音楽鑑賞とか?」
「じゃ、一緒にライブとか行けば」
「騒ぎになるからヤダって」
「うーん」
「あとさ。多分一番の趣味はきっと仕事だよ、あの子」
「仕事かー、それは一緒にって言ってもなぁ。王子に突然、恋の為にチーム辞めて転職します!とか言われるとうちとしても困るし……」
「フフフ」
「なんか、いい手ないッスかね」
「あったら教えて欲しいくらいだね」

「あれじゃないですか?王子って冗談で出来てるみたいなとこあるから。好きとか気持ちをちゃんと伝えてます?」
「失礼だなぁ。ボクはいつだって真剣だよ?好きだってことも会う度に伝えてる」
「逆に言い過ぎなんじゃないですか?また言ってるよ、的な」
「そっか、そうかも」
「あんたに言うのも変だけど、こういうのは結構駆け引きみたいなとこもあるでしょう?」
「確かにね。ザッキーってばボクにいつも色々教えてくれる。優しいし大好き」
「いや、だからそういうこと軽く口にしてるから駄目だっていう話で」
「だってつい言いたくなっちゃうんだもの」
「うーん、困った口癖だよなぁ」
「うん、困るよね。気を付けなきゃ」

      ジノザキ