雲行き怪しい?醒酔夢
お花見三部作ラスト。前回泥酔により“いたしてしまった?”仲良しジノザキが迎えた朝のお話。記憶飛んで揉めてます。あと、またやってます。ともかくこの2人はイチャイチャしとけばいいですよね。
「…ゴメン…直接中に…出しちゃった…」
暫くして。無理矢理平静を保とうと、一番最初に発したジーノの言葉はこんな頓珍漢なものだった。恍惚とした表情には茶目っ気を装うあの笑顔。でもなんとも下手くそな笑顔だった。赤崎はこんな風に自分を抱いておいて全くこの人は、と思いながらこんな皮肉な返事をした。
「下品…」
「いいじゃん別に」
「ま、妊娠するわけでもないんでどうでもいいッス」
一瞬キョトンとしたジーノがフワリと笑う。この笑顔はいつものあの笑顔。赤崎のお気に入りの二人だけでいる時に見られるジーノの顔。
「いいのぉ?そんなこと言って…」
「は?」
「妊娠はしないけど、こんな乱暴しちゃったらキミ後からお腹痛くなっちゃうんだけど…」
「え?マジで?」
「キミがいいんだったら今度からはいつもこうしちゃおうかな?色々考えながらセックスするの面倒だもん」
「ちょ、待てって中出しで腹痛って知らねぇよそんなこと!あんた知ってて?ひっでぇえ!」
「ひどいって…ボクちゃんとお断り入れたじゃない。我慢出来なかったんだもんOKしたキミが悪いんだよ?」
「なッ…俺は入れてもいいとは言ったけど中に出していいとはひとっ言も言ってねぇだろ!」
「わお、冗談冗談ッ!ねぇシャワーいこっか。洗ったげるよ一緒に入ろう?キチンとケアしたらきっと大丈夫だから」
ご機嫌なジーノがほんの少し身を傾け、さあ行こうと起き上がろうとした時のことだった。
「王子?」
「……」
眉間には深い溝。超不機嫌と刻まれており、続いたのはショックと不満が滲むジーノのこんな一言だった。
「ザッキー、ボク相手にイクふりするとか…いい度胸してる…」
「え?」
「こ…こんな屈辱…初めてだよ…」
慌ててジーノの視線を追うと、吐精の痕跡のない赤崎の腹に到着した。
「え?あ…いや、違う!王子!俺ちゃんと…」
「…ちゃんとって言っても…だって…ほら…ねぇ?」
「聞けって!これは!あんたが昨日やり過ぎで!」
「?」
「あんたは結局昨日一回しかイカなかったけど俺は散々…で、わかるだろ?もう出すもんなんかほとんど残ってなか…」
一体自分は何を言っているんだと混乱のままジーノを見ると、男はさも愉快そうに赤崎に満面の笑みを浮かべていた。
「えー?そうだったの?なんだ、言ってよ…ボク、キミが空っぽになっちゃうくらい一杯気持ちよくしてあげてたの?」
「う、うるさい!黙れ!違う!」
「あれ?嘘なの?」
「あ、そうじゃな…だから…」
「ホント?どっち?」
「もういいから、風呂!行きましょうよ!」
「よくないよ?」
「いいんだって!出なかったけどイッた!そんでいいだろ!」
「うーん」
「悩んだふりなんかスンな!」
「フフフ」
「その笑顔腹立つからやめろ!」
「なんかあやふやだから、あれだね?本当に出さないままイクのかもう一度試してみ…」
からかいが過ぎたジーノの顔に、投げつけられた枕が炸裂するのにそんなに時間はかからなかった。
「ったく、ふざけんなッッ!!!!!」
「痛ったーい!」
「俺のケツの痛みよりよっぽどマシだろ!」
「えー?キミは痛くても気持ちよかったんだろう?」
「真顔で言うな!」
「ボクは枕ぶつけられて感じちゃうほど変態では…」
「黙れ!」
「こわー」
「待てって!」
「やだよー」
「おい!こら!」
「ってかお風呂行くだけだよ、おいでザッキー」
「だから痛えんだっつってんだろうが!いたた…」
「大丈夫?」
「大丈夫なわけねえだろ!」
「ちょっと見せて」
「見せるか!」
「なんで?」
「当たり前だ!」
「いいじゃない、今更。切れてたら大変じゃない」
「そういうことじゃねぇ!」
「じゃどういう」
「だからなんかこうヒリヒリっつーか腫れ…って、説明させんな!」
「もうわかったわかった」
「なんだよその手」
「せめてお姫様抱っこなぞ」
「もういい!先行っとけよ!馬鹿王子が!」
「素直じゃないなぁ姫」
「俺は姫じゃねぇ!」
「ボクは王子だよ?」
「知らねぇよ!」
…
おしまいッ
