テーマお題でイチャイチャさせったー2
【13041文字】
今回はお題を使いながらの連作(完結してます)。もともとは本誌#608の例のザキ弄りシーンに滾って思いついたネタでしたけど、新刊にギリギリ載らなかったしそれはまた別に日を改めて。ジーノかなり歪んでいますが、それだけ熱烈だってことです。
診断結果
ジノザキで「その笑顔、むかつく」とかどうでしょう。
<SS>
「疑問なんスけど」
ジーノがコーヒーに手を付けた時、赤崎はやっとの思いで言った。
「なんで王子は……」
じっとその目がこちらを見ると、思わず言葉が止まってしまう。それでも今日こそ聞かねばならない。ずっと腑に落ちないでいるから。
「俺に飯とか誘って、奢って、どういう意味でやってるんだか……」
「おや、なんだい?嫌だった?」
掴めない男に微笑が浮かぶ。嫌なわけではないことくらい、わかっていながら笑って呟く。
「だってあんたは後輩の面倒とか見るような」
「愛犬の子守りはするタチなんだ」
いつもの揶揄をさらりと言いのけ、ジーノは琥珀を一口含んだ。
(そんなの、なんの理由にも……)
赤崎のもやもやは全く晴れない。何故なら。
「ああ、犬は二匹いるのにと?」
ジーノが椿を誘う姿を、赤崎は一度も見たことがない。もやもやが更に胸に広がる。あまり好きではないこの感覚は、焦燥や苛立ちに少し似ている。見たことがないという意味は、したことがない証明ではない。赤崎は椿に話をしない。ならば椿も赤崎に話さぬこともあるやもしれない。そして赤崎はジーノに問えない。自分以外を誘うのか、と。
ジーノと過ごす不思議な時間は、いつでも琥珀で手仕舞いとなる。砂糖を入れて、ミルクを入れて、どれだけ味を薄めても、苦さが心にまで沁みる。食べたことのない美味しい食事も、食後のジーノのその一瞥と苦さにかき消されてしまう。
「ザッキー。気にすることないよ」
ジーノの言葉はいつでもそうだ。どうとでも取れる言い方をする。
「あれはほら、そういうのではない」
意味が通じている形。けれどいつもとりとめもない。
聞きたくもない、知りたくもない。伝えぬジーノの苦さは優しい。赤崎は今日も何も問えずに、微笑の苦みに包み込まれた。
