IN A CAGE 7【完結】
【2254文字】
ジノザキデーは当たり前なんですが毎年秋にやってきますね。冬布団が気持ち良くなる時期なので、冬に備えるシマリスみたいな、そういう二人を考えました。シマリスの動画も沢山観ましたw(しっかし、動物動画は可愛さふりまき、無限に時間を潰してくるな!?)
My Bird Returned~永遠に
「ザッキー」
(あれ?……マジで……なんか、変……)
赤崎はまるで鉛のように、体が重たくなっていた。けれどそれもそのはずで、ジーノに上から圧し掛かられて重さが倍になっていたのだ。
(あ、ヤバい……?なんか、これ……)
自由の利かない重たい体。けれどそれを自由自在に何故かジーノが動かしていた。沈んでいくのか、浮いていくのか?ただ漂っているだけなのか?
「あっ、」
眩暈のようで、それとも違う。沁み込むような自然さだった。天地すらも失念をして、されるがままに委ねてしまった。
「ザッキー」
「……っ」
静けさと不安。声への安堵。そして朦朧としている中での、何が何だかわからぬ感覚。瞼も開けてはいられない。何も見えない世界に浸かって、思考力も停止していく。
「ねぇ、嫌って言わないの?」
「……」
冷たいはずのその指先。
「ねぇ、本当にいいのかい?」
怖くて、それでも怖い以上の、自分の中の激しい何か。
「あ、ああっ」
焼け付くような痛みと熱さ。ガクガクと強張り痙攣し、でもそうなり続けていられもせずに、撫でられ、抓られ、しがみ付き、必死に喘いでその名を呼んだ。
「……っ、~~」
呼んでいたのもどちらであったか。それすらわからず深く溺れた。いつかこういう日が訪れる、それを待っていたような気持ちで。
*
気付けばいつものぬくもりの腕。
(……あれ?なんだっけ……?)
ジーノの身体は温かかった。それをとても嬉しく思い、会えずにどれだけ怖かったのか、そんなことを考えた。
「……んん」
「あ、王子。起きました?」
寝顔のジーノは美しく、寝起きのジーノは少し可愛い。夢と現実を彷徨う視線が、ふわふわとドングリを探すのだ。そして。
(ああ、来た……ははは)
みつけて、キュ、とハグをしてくる。この瞬間が好きだった。
(うわぁ、ヤバい……なんか泣きそう……)
思いがけない出来事だった。記憶自体も朧気で、でも信じられないこの充足。今までと同じでまるきり違う、涙が浮かんでしまう今。
「ザッキー?」
「あ、いや、これは違、つか、なんかあの、見ないでください。めっちゃ恥ずい……」
火照った頬に頬が触れ、チュ、と小さいリップ音。あまりにキザで、ジーノらしくて、鳥肌が立つほど魅力的。
「こうしていれば見えないね」
と、そのまま肩にもキスが降る。
「ね……体、大丈夫?」
「だるいけど、全然大丈夫ッス」
「そう」
寝る前と同じ言葉を交わした。流れるようなジーノの仕草に、寧ろ今までこうでなかった、そっちの方が不思議に思える。
(あ、ちょっと……あ……)
腕も足も絡まってきて、寝起きの身体がジーノを察知し、そうなることすら普通みたいに、そのまま再び時間を掛けて。
「あ、ああ、……」
やがて奥まで再び満ちて、甘く切ない吐息が漏れた。先程よりは理性もあって、ジーノも少し余裕があって、互いの名前を呼びあいながらも途中途中で言葉も交わした。もっと今をよくするために。よりよく一つになるために。
「待っ、あ、それ、駄目、イっ……」
「うん、ゆっくり。わかってる」
「あ、んぅっ、」
動きに合わせて深呼吸をし、感極まって時々乱れ、それでもヨチヨチ手取り足取り、ジーノと一緒に体を揺らす。
「ふふ、ザッキー、エッチで可愛い」
たまに強くハグされて、ぐっと下から突き上げられて、イかぬようにと震えて耐えて、波の強弱を十分味わう。
「気持ちいい?」
「……気持いいっつか、マジ、ヤバい……」
もっと一つになりたいと二人一緒に昂ぶっていく。
「あ、ヤバい、王子、ああっ」
「うん、僕もそろそろ限界」
最早抑えが効かなくなると、わかったばかりの弱点を虐めるみたいに攻められた。
「あ、あ、あ、っ!!」
赤崎の先端が白濁に濡れ、同時に目からも涙が零れた。
「きついね、もう少しだけだから」
「イく、イッてる、イッ……あああっ」
普通の射精と違う感覚。ドロドロとまるで漏れ出すような。四肢と内臓が痙攣をして、もはや言葉も形にならない。それをジーノが見下ろしながら、笑って静かに、意のままに。
「あ、いい……すごい、いい」
最初と同じ半狂乱と、淡い羞恥が心を潤す。本能のままに没頭し、決壊するように時は満ち、二人でギュッとしがみ付き合い快楽だけの世界に浸った。
*
眠って交わり、起きて交わり、昼からずっと裸のままで。深々と繋がり何度も果てて、そしてポツンとこう思う。
「さすがに腹が……限界だ」
そうだね、なんてクスクス笑い、ジーノが懲りずに頬にキス。
「ちょ、だから」
「大丈夫だよ。何食べたい?」
「うーん」
「ふふ。僕はこれを食べてみたい」
「あ!こらっ」
ふざけて布団に潜りこむので、赤崎は慌ててそれをはぐって、逆襲なのか擽られ、そうしてじゃれて二人で笑い。
「……ザッキー」
「はい?何スか?王子」
「いつから僕を好きだった?」
「~~~っ!!!」
顔から首から体中、真っ赤になって赤崎は。
「そんなの、今更聞きますか!?」
羞恥にギュッと目を閉じて、やり過ごそうと試行錯誤で。けれどジーノはゆったり笑い、追い詰め、まるでとどめのように。
「僕はね、ザッキー。聞きたいかい?」
こういう感じに今日なって、でもこれはLikeかはたまたLoveか。そういう区切りはわからなかった。けれど確実なことはといえば。
「僕はずっと恋していたよ?この日を久しく夢見てた」
そう言い、顔をほころばせ、首を傾け幸せそうに。なるほどそれはかなり前から。二人で居るとニコニコとして。だから二人ふんわりキスで、頬を再びすり合わせ。
「ご飯、もう少し後にしよう?」
ジーノが甘えておねだりするので、笑ってもう一度布団に潜った。
