お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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IN A CAGE 2

【1563文字】
なんも考えないで書いてます。前作の続きというよりも世界観の補足的な?ベタベタしてますけど二人ともBがLoveではなく極めてLikeの感じのつもりです。

Like A Bird~軽やかに

赤崎は確かに変だと思うが、ジーノは何もかもが変なので、逆にこうも思った。
(……なんか、そういうものなのかも)

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――ザッキー、ねぇ、ザッキー
この頃、ますます甘えが酷い。
(あっつぅ……)
寝汗ぐっしょりで目が覚めて、なるほどここはジーノのベッド。
「わ、王子も汗かいてる」
額に縋る前髪が、少しだけ湿り気を帯びている。苦笑しながら束縛の腕から抜け出した。
(良かった。ちゃんとあったまって寝れてんじゃん。つか、どう考えてもあったまり過ぎっ)
笑いながら、はたはた布団の中に少し空気を呼び込んでやる。ううん、とジーノが起きかけたので、トントン宥めて寝かしつけ。
「……んん……」
無意識の手が探しているので、赤崎はそっと握ってやった。するとどうやら落ち着いたのか、再びすやすやと眠りに落ちた。

特徴的な目鼻立ち。人の目を集めずにはいられない、溢れるような輝き、そのスター性。
(実際、変な生き物だよなぁ)
懐かれるのは嫌いではない。慕われるのは嬉しいものだ。けれど相手がこのジーノだと、やはり色々違和感がある。随分過ごす時間も増えたが、今でも少しピンと来ない。ピッチの上での指令塔。嬉しそうに緩む頬。火の消えたような暗い目付きに、苦しげに小さく震える瞼。眠っている時はまたいつもとは異なる、不思議な素顔をのぞかせていた。
(いや、何?この人。寝顔が一番アレだとか……)
誰に見せるでもない世界。ひっそりと静かで穏やかな休息。
(なんかもうマジ……ふざけんな)
この場所がジーノの内側であるのを、赤崎は十分理解していた。まるでリスの冬ごもり。寝床にドングリを沢山集め、体温を下げて眠ってしまう。大丈夫なものだけを選りすぐり、引き寄せ、敷き詰めて、抱えて眠る。
(いやぁ……本当になんつうか……)
美しいという言葉では表現しきれぬ、時をも忘れる世界であった。

*

あの日。

――あの、ほら女の子だとそういう感じになりそうで

口調は如何にも面倒くさげで、自慢であるとは気付かないらしい。

――じゃあ男なら誰でもってわけにもね?なんだか変に思われそうで

それは理解が出来るのか、と妙なところで関心をした。

――だからこんなこと、君にしか……

そしてここまで続いてしまうと、理屈も意味も宇宙に飛んでしまった。赤崎はまさに絶句するしかなかったのだった。

それでも、結局は、とにもかくにも。
(俺にしか、って。なんだよそれ)
何処かわからない部分への感触。ふとあたたかい、もしくは熱い。あの日のジーノの小さな勇気が、その戸惑いと慣れない甘えが、とても愛らしいとさえ。
(実際、可愛すぎんだろ、これ……)
まるでペットか家族のような、とても近しい関係性。初めて一緒に眠った夜は近過ぎる気さえしたものの、ジーノがあまりにも自然体で、嫌な感覚は生じなかった。

――居てよ

と、まるきり純粋に。

目で、声で、小さな仕草で、

――ありがとう

と素直な心のままに。

*

その腕の中で、ベッドの中で、赤崎はいつでもリセットされた。この暮らしの中気付いたことは、気負いや力みがあったこと。
(なんか、感化されてきた……?)
鳥のように軽やかな人。自分が空なのだとでもいうかの如く、常識を超えて自由にそして高く飛ぶ。
(遊びたいから自分で誘う。添い寝してとかも言えてしまう……)
論理が人とは異なるが、大きな祖語は起こさない。実は我儘な人ではない。当たり前に人を読み、許容をどんどん広げてしまう。

――ザッキー、ねぇ、ザッキー

だから柔軟性がまるでなかった自分の固さと鈍さに気付いた。いつでもどこかに力が無駄に。その空回りが恥ずかしくなる。でもジーノはそのことを腐したりなどはただの一度もしなかった。言葉もなく静かに腕を広げて、まるで大切な卵を扱うように、そして時々は力強く、深く包み込みように全身を繰り返し抱き締めてしまうのだった。