鬼交譚1
【29150文字】
ジノザキデーですね(呼ばれてなくてもジャジャジャジャーン)。MEMOでも書きましたが以前書いてた中編?を今日から連載していきます。はい、まだ全然終わっていないんです。
鬼とか出てきますがオカルトというよりファンタジー寄りの転生ものです。環境は原作のものを使っていますがほぼ創作に近いくらい特殊・虚偽・ねつ造です。ご留意ください。
20200923
投稿単位を考え直しある程度まとめて再UPしてみました。これまでの投稿文は赤崎幼児期~再会、ジーノ幼児期~、新規分が初エチシーン含む今現在
「王子、またそんな風にうたた寝して!」
ゆさゆさと乱暴に揺り動かされ、ジーノはこの世に無理矢理戻された。
「ったく、取材だとか言って練習さぼって、そんな嘘とっくにバレてますよ」
「ああ、ザッキーか」
「ああ、じゃねぇッスよ。ほら、飯。適当に買ってきました」
「……」
「王子?」
体が重く、思考が鈍い。
(なんだろう?変だな、思うように動けない)
「何スか、具合でも悪……?」
ふるふると頭を振って目覚めを促し、のぞき込む顔に腕を伸ばして、ゆっくりと赤崎を胸に抱き寄せる。
「ちょ……」
赤崎が身構えたのはほんの少しの間で、すぐにその身を任せてくれた。その様子に満足して、今一度強く抱きしめる。
「……ほら、ちゃんと会えただろう?」
「は?何言っ……寝ぼけてます?」
ジーノ自身にも意味不明で、それでも溢れる言葉を紡ぎ続ける。
「信じないからいけないんだ。君は本当に馬鹿だよね」
「寝て起きて馬鹿とか、何スかそれ。失礼が過ぎる」
「君が僕を試すから……だから僕までこんな……」
浮かんでは消えていく不思議な記憶。スリルと、試練と、サスペンス。アミューズメントな虹色の夢。再び得るために手放したもの。
「王子、もしかして寝なおそうとしてませんか?」
「……」
「駄目ッスよ。俺めっちゃ腹減って」
距離と隔たりをものともしない、確固たる繋がり。その絆。
(疑う君を論破するため、何度も証明を続ける健気な……健気な、誰?なんだか……わからない)
「起きてくださいよ王子、聞いてます?まだ夢の中っスか?」
求めているもの。得るべきもの。
(ザッキー、もっと呼んでいて。声を僕に届けて一杯)
「駄目ですって。こうしてると俺まで眠たくなっちまう」
――艱難を乗り越え、君は今この腕の中
――夢のような幸せの今
――こうするために、遠路はるばる……僕らはこうしてようやくここに
この思いは一体何か。ジーノには知らない、それでいて過去観た映画のようで。
「王子っ、はい!ほら起きるっ!」
けれどまるで霧のような朧気は、怒鳴り声の愛おしさに消えてしまった。
