飼い主 1
ジーノ過去編。やりたい放題妄想捏造閲覧注意。1は小学~中学時代。2は高校時代前半、3は高校時代後半~入団まで(予定)です。ジノ→タツ(尊敬)、ジノ+モチ(肉体関係有のお友達)の話がメイン。ゴトタツもちらっと。少しだけどとても重要なシーン。イジメ表現あり。王子、後藤、達海、持田、彼女、大人達、コーチ達、同級生、ジーノ両親など、大人数。ジーノはバイ設定で性的にフランク。ゲイ設定のモッチーも彼女と軽く。
中学時代~寂寥のジーノ
ジーノは親の勧めのまま父の卒業した私立の有名進学校に行くことを選択した。
その学校のシンプルながらとても上品なブレザーはまるであつらえたかのようにジーノによく似合った。優しい笑顔、肯定的な物言い。すっかり当たり障りのない対応しかしなくなっていたジーノだったが、本人が目立たないように努めているにも関わらず、意思に反してより一層人の目を引く状態になっていた。容姿端麗、成績優秀、英邁闊達。成長期に入り幼さが抜け始めたジーノは、一種近寄りがたいほどまでに隙のない存在になりつつあった。
大部分の人間はもはや遠くから見つめるのが精一杯だったが、時々自信のある子やよっぽど抑えきれない情熱を持った子だけが彼に近づいた。そういう相手に逐一優しい対応をするので、益々評判はあがっていった。その実ジーノにとっては人はすべて、自分にとって別世界の存在か、ただの人肌という存在だった。どれもこれも名前を覚えることすら困難な、十把一絡げできる似たようなものだった。そして相変わらず自分の周りには誰もいないと感じていた。
単なる人肌に対して当たり障りのないような程度に親切にしていると、彼らは次第にジーノの内面を根掘り葉掘りほじくりたがり始めるようになってきていた。そういうことはとても不快だったので、困ったジーノはなんとはなしにはぐらかすか、上手に関係をフェードアウトする術も身に着けていった。それほど自分の話をするのは苦手だった。
* * *
少しずつ幼さが消えていくジーノの周りには以前とはまた違った趣味の不健全な大人が取り巻いていた。肉体的な成長と行為の中の刺激によって次第に自身の性欲というものにも目覚め始め、行為の意味をしっかりと理解し、以前のような人形ではなく少しずつ大人を手玉に取ることを覚えていく。手慣れてきた中でも一応、ジーノはトラブル防止のために同じ学校の子とは寝ないポリシーを持っていた。大人は秘密を守れるが、年の近い人間はなにかと吹聴したがる愚かな部分があることを知っていたからだ。
だが時々、学校にいても以前と同じ純粋な意味でどうしても人肌が恋しくなる時がある。そんな時はちょっといいなと思う子に微笑み話しかけて簡単にキスをゲットする。そういったほんの軽い接触を、二人だけの秘密だよ?と言いいながら自発的に相手に貢がせることも随分上手になっていた。あくまでも欲しているのは相手の方。ボクは親切に与えてあげているという体裁を整えて。中学生たちにとっては、ジーノにとっての軽いスキンシップでも、充分満たされる行為だった。この頃すでにジーノの深くて甘いキスや愛撫の技術は、性交を伴わずとも腰が砕けてしまうような、そんな性快楽を持つ刺激的なものになっていた。
ジーノにしてみれば、ここまでライトな行為なら吹聴して回られてもまあ、ある程度問題にはならないだろうと判断していた。上手に、日本人の持つ“外人はキスなんて挨拶レベル”といった常識を利用した。そう、この程度はボクにとっては挨拶レベルで深い意味はない、恋愛とかそういうのとはまるで関係ない、と言う顔をして肌の温かみを受け取っていた。
ただ、そういった気晴らしは手軽に出来ても気晴らしは気晴らしでしかなく、心は常に孤独だった。ジーノはその孤独を自分から切り離せない一部であるとして、必死で慣れるように努力を続けていた。
タッツ、
本当にいつかボクにも他人と楽しむ日々がやってくるの?
待ってる間にワクワクなんてとっくに通り過ぎて、
なんだかもう待ちくたびれてきたよ。
ボクはまだ日常の中で、ちっともミラクルを起せない。
パスを出す相手がいない
どこまでも一人だ、タッツ
この頃のジーノの孤独の原因は、ジーノ自身の作る高い壁のせいだった。肌は求めても心を求めることがない、ジーノ自身の諦めのせいだった。誰にも見えない、とても高い壁なので、座って待っているだけでは誰も彼のところへなどやってくるはずはなかった。自分が動かなければ状況は変わらないのに、ジーノはちっとも理解していなかった。近づこうとする人間を次々にかわしながら、差し伸べられる手を待っている、そんな矛盾の生活を過ごしていた。
