飼い犬
15日なのでザッキー過去編をば。沢山の人達に愛されながらサッカー一筋に生きてきたってイメージで書きました。家族設定がっつり捏造。登場人物は赤崎、王子、同級生、家族、チームメイト、彼女(H有)。変な時間にジーノがフラフラあらわれてたのは後藤氏と飲みに行く為。このシリーズの後藤さんはお母さんでタッツミーはお父さん的役割。
ジュニアユース~愛される力
その後、実際にジュニアユースに入ってからは今まで以上にコーチ陣の指導に熱心に耳を傾け、いいプレイをする選手がいればその技術の習得の努力を欠かさない生活を続けた。なによりも“出来ない自分”という状態が許せなかったし、練習すれば必ず出来ると信じて疑わなかった。
そしてその結果として着実にプレイに対する自信を身に付け始めていった。中学時代の赤崎にとって、プロデビューはすでに夢の事柄ではなく今こうして生きている現実の先にある確定済みの未来になりつつあった。未だかつて努力が裏切られた経験などなく、またそうならないように絶対にそのプライドにかけて努力を途中で放り投げることはなかった。この類稀なる根性と忍耐は当たり前のように赤崎の肌にぴったりと張り付いたもの。気持ちを切らさないようにモチベーションとテンションを維持し続けるこのメンタリティと技術というのはアスリートにとっては必要不可欠なものだ。この年齢でその基盤を極自然に自身の内に作り上げた赤崎というのはやはり稀有な才能を持つ選手であったと言えた。
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本人の自覚はどうあれ、実際赤崎は才能あふれる選手だ。
ETUの下部組織のスタッフの中で、この頃すでに赤崎という選手はもはや試験など必要もないくらい重要な人材になっていた。だが、それでもセレクションに参加時の彼の取り組む姿勢の意識の高さにはスタッフ一同から感嘆の声があがった。それくらいジュニアセレクション時の当落線上にいた頃とは全然違うくらいの成長を遂げていた。
達海が離脱した後、トップチームの状態はドンドン悪化の一途の中にあって。そんなギスギスとした環境の中で赤崎はETUの明るい未来を託せるような大切な期待の宝になった。時々向上心が行き過ぎることでETUを軽んじるような発言も飛び出すこともあったが、周りは長年これまでの赤崎の思いやその成長過程を見ていたため、多少窘めることはあっても人格的な信頼を失うことは一切なかった。
すべて赤崎の元来持つあまりにも素直で真っ直ぐな気性による、その魅力の賜物だと言えた。そうしてみんなに愛されながら赤崎はサッカーに虜の生活を過ごしていたのだった。とても充実した日々だった。
