鎖に繋がれて 10
ガチンコ対決後半戦。前回が拘束系で、今回は更にもう少しハードな行為(当社比)でジーノが本気で従順なザッキーを性倒錯に陥らせて精神的に潰しにかかっているというシチュになってます。キチンとそういう感じに書けたかどうかは疑問なんですが鬼畜的なお話が苦手な方は強く強く閲覧回避をお勧めいたします。でもその実大した描写じゃないかもしれません。
乾罪
「うぁ……はぁ?あ、あ……?」
「ん?……ちょっときてるのかな?いいよ、力入れないでそのままだよ?声は我慢しなくていいから、そのまま続けてね?いい子だから」
時折血の気の引くような、奇妙な感覚を体に呼ぶ。赤崎にはそれが不快か快感かその激しさに判断することが叶わなかった。
「ああ……??あ、はっ!あぁ!」
「駄目だよ力抜いて。ゆっくりそのまま状態を保つんだザッキー」
「あ!!お、王子!ああ!んぅああ!何?……ああ!」
「締め付けちゃ駄目だよ我慢して?そしたらアレが、もうすぐ」
溢れかえる声が寝室に鳴り響く。こんなに張り上げて喘ぐことなど未だかつて一度もなかった。それでもお構いなしに、何も考えることも出来ずに、自分が叫んでいる事すらわからないままに赤崎は。
「あぁ!やああ、あ!あん!んんあ!はぁ!王子!あ!嫌!!」
「緩めて?ほら、すぐそこまで来てるよ頑張って?」
「王子!あ、苦ッ!王子、やめ!」
そう、まさしくこれは恐怖で、たった一人、何が何だかわからない暗闇の中で自由を奪われた体のままでジーノを呼ぶ。瞬く間に恐怖一色、ジーノの言うそこまで来ているものなど、戦慄以外の何者でもないとガタガタと歯を鳴らす。熱くて、焼け死ぬようで、寒くて、凍り付くようで、もう支離滅裂で。
「奥の方、なるべく意識して感じて?」
「だ……駄目ッ!あ!あ!!王子、いや!ああああ!」
「そう、もっと女みたいに喘いでよザッキー、聞かせてもっと」
「あ!ああぁう!や!触って!うぅ……!」
「可愛い、ザッキー、もっと、もう少しだけ、ああ、すっごくいい」
「あああ!王子助けッ!!」
瞬間、体が仰け反るように跳ねあがる気配を察知し、ジーノは咄嗟に赤崎の首が締まらないように体と紐をガッツリと力任せに掴む。ジーノの言う、赤崎がアレを迎える瞬間だった。
「――!!」
ビクッビクッと激しく四肢が痙攣し、その度に絶叫のような嬌声が漏れる。一分ほどそうやって赤崎は翻弄の波に溺れるように快楽を味わっていた。垂れた涎がもう首筋をとっくに通り過ぎ、だらしなく胸に光るそれをジーノがうっとりと指先で掬い取った。
「フフ、上手に出来た。凄いよ、まさか初めてで、それだけちゃんと出来るなんて驚いちゃった」
それでも赤崎は未だ、あ、あ、あ、と断続的に声を漏らしながら体を震わせている。感じたことのない快楽、信じられない拷問。何も聞こえないし、感覚が去らない。めくるめく渦だけがそこに。溺れるがままに。
「これ、ドライオーガズムっていうんだよ?射精もしないまんま、しばらくイキっぱなしになる。こんなに声出るなんて初めてだと自分でも吃驚するよね?女の子がイク時みたい。キミ、我慢しがちだし、そういうのすっごく可愛い」
初めて迎えた精通のあの日と同じかそれ以上、快感よりも何倍も何十倍も強いショックだった。自分の体。今、見知らぬ他人のような恐怖しか感じられない。ドライ、オーガズム。知らない。そんな言葉そんな体験。でも今、知ってしまった。もう元の自分ではなくなってしまったというこの思いは、所謂強い罪悪感のそれだった。
「ねぇ、これでわかったかい?キミね?沢山、沢山ボクに抱かれて、もうすっかり体がメスネコ化しちゃったんだよ。わぁ、恥ずかしい!屈辱だよねぇ、知らなかったろう?自分の体のこと。前も擦られずに、後ろを突かれて、我慢出来ずにいやらしい大声あげて!出来るとは思ってたけど、なんかキミ傷ついちゃうかなってボク可哀想で。黙ってあげてたんだよ今まで、キミがどうしようもないビッチだってこと」
真っ白になり、わけのわからない痛烈な快感がようやく去った後、赤崎は異物の不快な存在を思い出してクッと思わず体を強張らせた。
「あああ!嫌!!」
「フ、ホントいい。すっごく素敵だザッキー。キミはもうメスで射精しなくて済むからもう何度でもそうやってイケるよ?お利口できたから、気が済むまで遊んでいいからね?」
その拍子に、再び前立腺が圧迫されて、憐れな男に再び、ひいたはずの快楽の波が襲った。また叫び。ジーノの視姦と到達へ導く言葉責め。
「心無いセックスなんてってキミは吐き捨てるようにボクに言ったね?風俗やナンパなんてもってのほか?説教垂れてたキミは今、そんなことよりもっと最低なことやりながらよがってるんだよ、わかるかい?キミの言う愛ってここのどこにあるんだい?射精すらしないで、そんなの生殖行為の基本すらなってない。相手は道具で、入れないで入れられて」
「あ!あ、あ、ああ!やめッ!」
「そんなことが最高に気持ち良くて。自分に吐き気がするだろう?でもそれがまた気持ちいいんだよ、キミは。そういう、倒錯的なのが好きなんだ。ボクは知ってるよ?後ろ暗い、キミのそういう性質」
再び襲う、激しい痙攣。絶叫に近い嬌声が響き、魚のように体が跳ねる。2回目のその瞬間はジーノの反応がほんの少し遅れたために、ギリギリと布が首に食い込み少し危なかった。
「ねぇ、そのうちあれかな、後ろにおもちゃ入れてるだけで射精しちゃうこともあるかもね?その方が男らしくっていいかもな、とか思うかい?そんなわけないだろう?」
「そっちもすっごく恥ずかしいことだよ!?男なのに、擦らないまんま?どうしよう!絶対やばいって!後ろぐちゅぐちゅにさせて、それだけの快感で出しちゃうってなんて!どんな気持ちになるんだろう?本当に最低だ!そう思わない?キミならそう思うだろう?だってキミはザッキーなんだもの、きっとそうだよね?」
「~!ぁあ!お、じ!」
「ドライでイくのも男らしくないし、挿入だけで出しても男じゃないし、どっちにせよすっごく恥ずかしいことだよね?何回みせてもらおうかな?キミの痴態。一杯、イっていいからね?ずっと見ててあげる。キミがオスなのかメスなのか、自分はまともだとか、間違ってないとか、これは愛なんだとか、いっつもいっつも清廉潔白なキミが、如何に汚らしく汚れた人間だったのかってこと、ボクにちゃんと教えて?」
ヘトヘトの体がジーノの言葉の数々によって再び激しく燃え上がる。自分が今何を思うか、何が苦痛か、そしてその苦痛がどれだけ快感を呼ぶのかを全部知っている男が、赤崎をしつこく刺激する。もう聞こえないその耳が、ジーノの嬲りだけを受け入れる。聞きたくない言葉が、自分が好んで考えた妄想のモノなのかどうなのかもわからなくなっていく。
「入れてる限り勝手に締め付けちゃって、ほら、もうやめらんない。そんなに気に入ってくれてボク本当に嬉しいよ。治まっても、締める度にすぐその快感がキミを襲う。それがいいんだろう?ザッキー?キミはこういう遊びが本当に大好きだから」
