お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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鎖に繋がれて 10

ガチンコ対決後半戦。前回が拘束系で、今回は更にもう少しハードな行為(当社比)でジーノが本気で従順なザッキーを性倒錯に陥らせて精神的に潰しにかかっているというシチュになってます。キチンとそういう感じに書けたかどうかは疑問なんですが鬼畜的なお話が苦手な方は強く強く閲覧回避をお勧めいたします。でもその実大した描写じゃないかもしれません。

狂躁

「フフ、ザッキー苦しいね?すっごく気持ちいいのに、体が痙攣するくらいに感じてるのに」
「う……」

 赤崎の体には先ほど行われていた遊びの余韻がまだまだ体に残っていた。もう射精のしすぎで下腹部に痺れる様な鈍痛を抱え顔を歪める赤崎に、ジーノは愉快この上ないと込み上げる様に笑いかける。

 刺さったものが抜かれた後の、ヒクついている腫れあがった炎症の場所。ジーノはさも愛おしそうにゆるゆると指先でなぞる。動けなくなるほど消耗しているはずの赤崎の体がそれでもほんの少し跳ね出していた。痛い様な、痒い様な、あれだけ達したにもかかわらず更に欲しいとパクついて。

 何やら饒舌に、ヒステリックに話しているジーノの言葉の半分も赤崎は理解できていなかった。もう空イキでぐったりとしながら苦痛に呻いているばかりだった。

 話している間にも込み上がってくる笑いをとめられないジーノは、そのうち話すことも出来ずに悲鳴のような笑い声をあげながら面白おかしく赤崎の体をまるで宝石か何かのように大事に大事に撫で回す。

 その姿は、きわめて狂人のそれに似ていた。

「綺麗だよ?ザッキー、悲しいね?フフフ」

 まるで春を迎えたようにジーノの着込んだ重たい心の冬コートが、パサリと床に落ちる音がした。今までこんなにもボクは苦しかったんだよと、軽やかな足取りで赤崎を踏み潰し、抜け落ちた嘘王子の分厚いコートは力なく赤崎を守ろうと必死にその足に縋りついた。だが、既にその衣は息をしていなかった。

 そしてジーノはヒリヒリと風が痛む素肌をも厭わず、ふきっ晒しの真っ暗な寝室で自身から抉り出すようなこんな一言を。

「恋愛の成就という心の充足と性的な体の快楽を勘違いしたキミは、今後最愛の女性を抱く度に渇望を知る。そうやって一生、満たされずキミの心と体はバラバラのままに暮らすんだ」

「そうしてその憤りの全てをカルチョにぶつけて。情熱全部をカルチョに捧げて。他の物では報われやしない。キミのその空虚はどうしようも埋まらない」

「もうキミはのめり込まざるを得ない。苦しい程に性に溺れ、心を潤す恋人のカルチョだけを追いかけて。そんな風に愛のないこの世界でたった一人、自分を引き裂きながら本当の意味で己の全てを捧げて」

「ねぇ、これでキミはボクを理解出来るようになったのかもしれない。あの一瞬のプレイの刹那だけがキミを生かしてくれるんだ。後は死んだも同じ、堕落の奴隷。キミはたった今、ボクに殺され、ボクのために死んだんだよ!」

 ジーノはそう言っては突然息を飲んで、自身が知らずに望んだその意味に驚愕して、それきり声を詰まらせ黙ってしまった。

 たった今、己の漏らしたその一言ではっきりと自覚させられた。

 自身が今までとても孤独だったこと。自分と同じ傷を持つ仲間を探し、女を欲し、心動かされる度に道連れを望んだ。他人を本気でズタズタに切り裂いてしまいたい自分に無意識に恐怖し、冷めたと心を偽っては逃げ出した。寂しい、誰か、ここに一緒に。それを願うは被害者が加害者になることを意味していて、弱いジーノにはそれが耐えられない出来事だった。
 なのに今、己を晒す覚悟でやったこの暴力行為の果てに、その自身の本質的な醜さが露呈した。誰も知らない、自分も知らない、この罪が今、ジーノの心を窒息させる。

 ただ、やぶれかぶれの自暴自棄の中、自分への嫌悪が増えたところで、もうジーノにはそれを痛がる余裕すらなかった。
 己の残念さを見て、ああ、本当にボクは最低だと、そんな風に麻痺した心でそれを素直にあるがまま受け入れた。追う足を折られた赤崎同様、逃げる足が萎えてしまった。この行為の代償として動けなくなってしまったのは当然ジーノも同じこと。

 ”赤崎が死んだ”というならば、つまりは同時に”ジーノも死んだ”と言える結末だった。双方同じように自我崩壊を迎える、そんなまるで心中行為のようなものだった。