お花結び

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飼い犬と飼い主 6

ジーノご乱心アワワで色々踏み外して幸せ飼い犬生活がぶっ壊れます。やっとこR-18 な時期に入りました。(ほのぼのエロなしから一転、バトル展開!というよりウツ展開?) 5と6で落差激しいです。王子、赤崎、黒田、夏木一家、村越、モブ女で、ジノ→←ザキ、ナツ+ジノ、ジノ+コシなどなど。

餌食

 王子の寝室に入るのは初めてだ。

 リビングとはまた違う意味での落ち着いたムードの室内。そこにあるのは見たこともないくらいに大きなベッド。その存在を中心にしっとりとした優しい暗い闇のような世界がそこにはあった。ドアが閉まる音がした途端、威圧的な支配者だった王子が優しくて美しく、そして甘い存在に変化していく。

「ボクは優しい飼い主だから、うんとキミを可愛がってあげるから。大丈夫だよ?そんなにボクをこわがらないで?」

    *  *  *

 緊張に固まる俺の手を引いて、やんわりとベッドに誘導する。されるがままにベッドに腰を落とせば、まるでスロー再生のように王子はゆっくりとした動作で重心を傾け、全身を使って俺に絡みついてきた。この感じ、このぬくもり。以前体感したものと同じ俺を包み込む彼の体の優しさ。俺の素肌に彼のはだけた胸元や素足が触れる。その熱さ。

 それでも俺の体はカタカタと震えが止まらない。何故こんな状況に、と目の前にいる優しい獣を見上げて戸惑いが隠せない。まるで現実感がなかった。

「王子…」
「なに?」
「俺…あの…女じゃ…」
「知ってるよ?」
「…こんなこと、あの…男同士で…」
「フフフ、なんだか随分かわいいこと言うねぇ…。笑ってしまうよ。」

 そんな中、強張る俺に対して彼が次に仕掛けてきたのは甘い甘いすべてが脱力していくような深いキスだった。

「んぁ…」

 吐息が漏れる。おなかが空いたと言った王子は、本当に俺を味わうかのように己のすべてを使って俺を食べていた。舌先がねっとりと俺の歯列を舐め上げるので、その部分からつむじを経由して体外に向けて快感が突き抜けていく。逃げていく快楽が勿体ないとでも言うように、王子の指先の一本一本が俺の髪に纏わりつく。長いキスに慣れない俺の為に、クスクスと笑いながらさりげなく息ができるタイミングを作る。そして再び俺の快楽を作り出しては指先と舌先で彼は美味しそうにそれを食べ続けていた。王子が俺の体のすべてを確認するように一つ一つ丁寧に触れて回る。少しずつ反応しはじめて熱を帯びる互いの中心。王子がねっとりと体を密着させるのでその熱さが互いの日の当たらない個所の柔らかい肌に触れて生々しい。

「ちょ…やめ…」
「ん?恥ずかしい?いやだな、自然なことだよ?もっと興奮し合おうよ…」
「!」

 足を閉じてよけようと体を捩る俺を無視するかのように、王子が熱同志をわざわざ触れ合せるかのようにさらに体と足を絡みつかせる。今この行為が、紛れもなく男同士でなされているのだということを実感させられる。その背徳さが、罪悪感と官能を同時に生み出していく。普通に生きていたらありえないような男同士のモノとモノの触れ合いで、性的に興奮していく自分の体。なんて熱い感触。俺はとても怖かった。王子で自慰をしている時とは比べ物にもならない強烈な刺激。自分の何かが崩れていくような恐ろしいジレンマだった。

「あぁ、それではとても辛いね?…なんにも考えないことだよ、ザッキー。大丈夫、からっぽに…」

 王子はそう呟いて、目の回るような優しい愛撫で俺に湧き上がる恐怖と緊張の全部を快楽に変えていった。王子はそうして快楽のすべてをとても美味しそうに食べてしまうので、本当に俺はドンドンからっぽになっていくような気がした。でも、また徐々に俺の中から現状についての負の感覚が湧き上がってきてしまう。王子の手は新しく生じたそれらを同じように次々に快楽にして平らげていくので、沈み込むかのように深く、浮き上がるかのように軽く、彼の作り出す自分の中の甘い波に酔っていた。

「キミの中にあるその罪の意識は、ボクがすべて引き受ける…だから苦しまないで?今だけは酔って忘れて…ね?ザッキー…」

 もっともっとキミの何もかもを頂戴よ、と王子は優しい声で囁き続けていた。快楽にまみれきって体の自由がきかない。脱力して思うように動けない。傀儡のようにおもちゃのように好き勝手に弄ばれてもはや焦点も合わない俺は、彼が今どんな顔をしているのかほんの少しもわからない。

    *  *  *

「あぁ…!」
「なんてかわいい…」

 頭が真っ白になってしまってどれだけ時間が経ったのかもわからない。気が付いたら、俺は2本も指を入れられていた。なんて感触、しつけとマナーだと言われて洗わされた俺のあの場所。俺はなんてとんでもないことを今この人にされてるんだろう。綺麗な王子の指が、淫らに俺のあんなところに。それも好き勝手に、あまりにも自由自在に。必死になってもあっという間に彼の甘い波に溺れてしまう。信じられないことをされているのに、体をすっかり預けきって、うっとりとしている。ありえない。こんなことありえない。

「気持ち悪い…王子、そこ…やめ、かき…回さな…ッ」
「また、嘘嘘…気持ちいいでしょ?いい表情してる。ここ触られるの初めてだろうに・・・結構素質あるんじゃない?」
「…いやだ…、王子、やめろ…って…」

 意識が朦朧としている。王子の行うあまりにも官能的な背徳的な行為。やめてほしいのに、そんなことお構いなしに王子の指が楽しそうに出たり入ったりしている。俺は自分の意思なんて関係なく、抜き差しされ、かき回される度に、情けなく腰を浮かせてその動きに合わせて体を捩らせていた。

「や…あぁ、王子…やめ…」
「フフフ…、ホント面白い子だね。やめてほしい?今更…そんなになっちゃっててイカないままだと苦しいでしょ?」

 やめろという俺の言葉とは反対に、王子は2本の指を広げて出来たほんのちょっとした間から新しい指を侵入させる。

「…嫌ッ…痛い!もう増やさないで、無理ッ…」
「そう?…そんなことない。ちょっと心配だったけど・・・これもゆっくり時間かけてあげれば多分馴染むよきっと。ね、こんなとこさ、そんな感じちゃって…ホント男初めて?」

 激しい苦痛と快楽の板挟み。意識が飛んでて記憶はないけど、このきつさと痛みは確かに体感が残っていた。キリキリと押し広げられていくこの感触。その中で反対の王子の手が俺の熱くて固くなっている塊を刺激する。

「嫌、あぁ!それ、だ…駄目…あぁあ!」
「なにが駄目…?言って?でも口先だけだよね。だってキミの理性なんてボクが全部食べちゃった、フフフ」
「くッ、こ…こんな!あぁ!」
「フフ、そんなに跳ねて…ほら、痛いんじゃなかったの?」
「あ!」
「はしゃがないよ、まだまだこれからなんだから…もう、かわいいったらないね…」
「んあッ・・・」

 こなれた手つきで王子がソレを簡単に追い詰めていくので、俺は今にも爆発しそうになる。でも、あと少しというところでその刺激が去ってしまい、侵入した指先が俺をかき回しはじめる。そう、さっきまでこの前後の異なる感覚の繰り返しに、俺はまるで男に翻弄されて喘ぐ娼婦のように、惨めに淫らに体をくねらせてしまっていたのだ。少し拷問にも似た、王子による俺の官能のコントロールだった。クラクラする。

    *  *  *

「さ…、そろそろ観念。…ね?」
「…あぁ・・・、な…に?」
「ん?何って…お遊びはここからが本番ってことだよ、ザッキー…」

 指が抜かれて、美しい獣のなにやら怪しげな準備行動。俺は王子の指に遊ばれ続けていた後遺症で、脱力仕切って体が動かない。王子の舌舐めずりをするような微笑に、思わずパニックを起こす。

「…え?あ、嫌…やっぱ駄目、だよ王子、こんな…ねぇ、俺は男で…入んねぇって…そんなとこ…あんたの…そんな!」
「フフフ、ゆっくり…なるべく痛くないように、ね?…してあげるって…」

 喘ぎ声以外になると、吐息のような声しか出せない。怒鳴っているつもりなのに甘えたような声しか出せない、王子、本当にやめて欲しいんだ、俺の話、聞いて。本気なんだ。

「…や、やめろってば!冗談で言ってるんじゃなくて、俺…やめ…」
「やめないよ?…大丈夫、心配なんて全然。それにしても…なんて煽り方…。いやだなザッキー、知ってるんじゃない?そういうのがボク好みの味付けだって…」
「違…、やめろって…ホント、無理、ねぇ、王子…」
「ザッキー…ゴメンね?もう、これ以上…メインディッシュ、待ってあげられない。」

 体が震えてる?わなないてる?話がちっとも噛み合わない。まるで太刀打ちできない、誰か助けて欲しい。どうにもならなくて最後には俺の言葉は懇願になっていく。情けない、俺が懇願?でも、どうにもならない、なんでもいいから、王子に待って欲しくて。覚悟が、王子、こんな行為どんなに気持ちがよくったってちっとも覚悟なんて出来ない。出来るわけがない。

「お願いやめて!嫌ッ!…王子、怖い…お願い!お願い!怖い、怖い!助けて…王子…お願い…」
「怖くないよ、キミの体とってもお利口でほら、喜んで待ってくれてる。大丈夫、そっとするから…」

 俺がしゃべればしゃべるほど、とても嬉しそうに獣が笑う。俺はもうどうにもならない。知っていた、彼の手に絡め取られては、もう何一つ自由になんてさせてもらえないこと。王子、こんなに恐ろしいのに、俺の体が。王子、俺の体が、そうなんだ、王子は全部わかってしまっている。こんなにも…ああ、王子、俺は待ってる、欲しくてもう待ちきれないほど。王子のアレがどんなだろうなんて、そんなことを…なんで?俺は…男なのに、どうして?

「いやッ…痛ッ!あ!ぐッ…ん…」

 なんて感触!指とは全く違う情熱的なその熱さ。ありえない場所に押し当てられて、無理矢理割って入って来る強引なその固さ、太さ。痛くてたまらないのに、なにかそれだけとも違う感じたこともないような…こんな…。わからない、でも、わかる。少しずつ王子が、ちょっとずつ、じりじりと、わかる、この感触。

「…ほら、力抜いて?…きつ…ぃ…焦らないでいい、少しずつ、ね?大丈夫だから…」
「無理ッ!ん!んぁ!やめッ…!痛い!」
「ッ…!ほら、ちょっとだけ我慢して…深呼吸…頑張って…?」
「やぁッ!うぅぁ…、あ…」

 深呼吸?自分の体なのにままならない。

「ッ…いい子だから…そう…そんな感じで…そのうち良く…なる…から…ね?」

 排泄器官に逆行するように入って来る、王子が俺の中に。そう、わかる。これは、俺と王子がゆっくりと繋がっていく感触。あわさっていく、ひとつになっていく。心が体がもうどうしようもなく、嬉しくって嬉しくって泣いている。痛くって苦しくって耐えられないのに、なんで?もっと思いっきりって、全部って俺は王子を欲してる。彼を受け入れたい、なにもかもみんな受け入れてしまいたい。どうして?ほら、どうしようもないほど王子と一緒になってしまいたい。こんな馬鹿なことってない。俺は頭がおかしい。だって、これは、俺達が今していることっていったら…そんな…。なんて…なんて…こと!

「はぁ、はぁ、ん!あぁ…」
「ああ、そうだよザッキー…上手だよ…初めてなのにホント、お利口だね…もう少しだから…」
「…はぁ、うぅ…」
「…んッ…偉いね、ほら、全部ちゃんと…は、ぁ…すごくいいよザッキー。キミはなんて…」
「…ぁあ!…王子…」
「さぁ、もっともっとキミを…楽しくしてあげる…沢山、ね?」

    *  *  *

 自分が王子に食べられて、ドンドン空っぽになっていくのがわかる。餓え過ぎて理性を忘れた肉食獣の、つぶやきが聞こえる。

   さぁ、もっとだ、キミの全部をだよ?
   一口も残さず最後まで
   ねぇザッキー…わかってるよね?

 全身すっかり王子の放つ毒にまかれてしびれきってる。苦痛なのか快楽なのかもわからない。ともかく溶かすように、抉るように、攻め立てるように王子が俺を追い詰め翻弄し続ける。延々と生きながら貪られ続ける。こんなもの、俺の知ってるセックスでもなんでもない。男同士とかそういうことも全然関係がない。今となっては繋がってるものや箇所なんかもそんなことすら。
 これは、今まで全く経験したこともない痛烈な世界。自分が全部支配されて包み込まれ、もう周りにはなにもない。そこにあるのはただ、王子の優しい手。王子だけが存在する、そんな愉悦の世界。

 そうしてそんな風に、俺はこの夜、何度も何度も犯され続けた。見慣れた優しい王子の姿をした、見覚えのない獰猛で美しい獣に。