鎖に繋がれて 8
ジーノ帰宅後、ジノザキ二人で喧嘩が始まります。ずーっと喧嘩(エロ風味)。ジーノが邪悪。R18G。人によっては不快な展開かもなので、無理そうな気がする人は1ページ目に入れたあらすじの参考に今回と次回は読み飛ばし推奨。ネチネチネチネチ、延々と二人でずーっと話してます。
強硬
「ん!うぁあッ!」
左耳の穴の中に舌が侵入し、そのねっとりとした湿度からもたらされるピチャピチャという淫靡な音が耳の内部を刺激する。そして全身、頭の天辺から足の指の爪先までゾワゾワと強烈な快感が駆け巡る。
今、肌を合わせるずっと前からジーノが時間をかけて念入りに育ててきた赤崎の弱点を、男はいきなり、そして激しく痛烈なまでに攻撃し続けていた。
「ほら、知ってたかい?キミの体は面白いんだよ、男なのに女みたい」
「……なッ!?くぅッ!!」
「ほら、盛大に鳴いてみせてごらんよ。我慢なんて出来やしないくせに」
「んぁ!や……」
「キミのその快楽は、ボクが今まで抱いたどんな女より激しく深いと思うよ?キミはそもそもそういう資質を持ってて、そして……このボクがそれを十分理解した上で念入りに手を加えたんだから。そりゃあもう熱心に仕込んであげたんだ。感謝してくれるかい?ほら、もう息も出来ない」
息が上がり、攣ったように両足をのばし震えていると、そのままの状態でジーノの利き手が赤崎の小さな右の突起めがけて服の中に侵入する。
「キミの知らないキミのいいとこ。全部教えてあげるよ、ねぇ?ザッキー?」
カリリと未だかつてない強さで爪を立てられ、その激痛にもうどうにもならないくらいに興奮してしまう。赤崎はずっと前から、ジーノの手でそんな体に作り変えられてしまっていた。赤崎がそれに無自覚で暮らしてこれたのは、ジーノの変態性のその深さから。美味しいおやつは見て眺めて、ついばむその日を想像する。たったそれだけで十分男の欲求が満たされてたからだった。
「男は本来、射精管に精液が通るほんの数秒しか強いエクスタシーを感じられないのに。ほら、どうなの?これ。結構おかしな現象なんだよ?時間をかけた分だけ今ではもう全身が性感帯だ」
「そもそもキミはタブーに対して強い嗜好性があるんだよ。セックスは脳でするものだからね」
「本当にキミは上手に脳を使ってセックスをする。男のボクと寝るって考えるだけで必要以上にそうやって快楽を増幅させて……ほら、禁断がキミを刺激して……そうやって瞬く間に全身で欲情して。いやらしい子だねぇザッキー?目もあてられない。折角手加減してきてやったっていうのにキミは」
体による刺激と、いつも以上に強く欲情を煽るジーノの言葉。心拍数が上がり、目もまともに開けていられない。あっという間にこんなに高められてしまって、赤崎はもう、理性が崩れ落ちて自我喪失の状態になってしまっていた。
「ほら、もうこれもこんなに」
ジーノが足の付け根のラインをそっと撫で付ける。直接触れずとも服の引き攣るその刺激だけで赤崎はイッてしまいそうだった。
「ほら、フフフ、とても苦しいだろう?でもやめないよ?これ以上耳はやめてってその願いを叶えてあげたところで同じこと。言ったろ?キミには同じような弱点がまだまだ沢山、それこそ全身にあるんだから」
耳殻を甘噛みしながら、左手の指先が今度はヘソの周りをクルクルと円を描くように触れる。その刺激に赤崎は激しく体を仰け反らした。
「ククク、ね?駄目だろう?どこでも一緒なんだよ。おへその下辺りさ、もう少し指を強く押してあげようか?キミこういうのご無沙汰だろ?外から前立腺圧迫されただけでも一瞬で気持良くイッちゃうかもね?フ、フフフ」
「ね?変だよねぇ?キミの体。フフフ、本当に自分の事わかっていないんだから」
「キミは無知で、傲慢で、身勝手で」
「本気でボクを追い詰め、受け止めきることが出来るとでも?ホント馬鹿な子だ」
「こんな事まだまだ序の口。真面目に全力でキミのこと攻めてあげるよ?真面目にやれってキミがボクを馬鹿にするんだからね」
「やだねぇ…もうそんなに腰ふり始めちゃってる。全く気が早いよ」
ジーノがちょっと本気で赤崎の弱点にいくつか触れて回っただけで、もう我慢がきかなかった。抵抗しようにも、刺激を求めてガクガクと動く腰を止められない。簡単に欲望を引きずり出されて、気が早いと言われてもすでにイクことしか頭になく、どうかその願いが叶うようにと、赤崎はもう夢中。無意識に自身の両足を高く持ち上げ男を受け入れる、いつものあの体勢になろうとしていた。興奮をジーノに擦り付け狂ったように己を欲しがる赤崎を見下しながら、ジーノはさも愉快そうに嘲笑う。
「何考えてるの?醜いねぇ、欲しがっても無駄だよ?フフフ、大体入るわけないじゃないか、まだ脱いでもいないくせに。せっかち!」
「身の程知らずにボクをこんなに煽ったお仕置きだ。いつでもボクが悠長に優しくしてると思ったら大間違いだよ?ボクに本気で盾突こうってんだからどんな目にあわされるか、ある程度は覚悟してもらわないとね。こんなことよりもっと我慢出来ないようなこと、一杯我慢させちゃおうかな?」
我慢?ジーノの言葉の片鱗が耳を刺して、赤崎はその一言の強さに更に体が燃える。全てはジーノの手による、完璧な調教、条件反射。助けて欲しいのか堪らないほど望んでいるのかもわからぬままに、狂い悶え、ぽかりと開いた赤崎の口から少量の唾液が漏れる。
「イチイチこんな程度でイッてたら最後まで持たないし、それも節約しなきゃね?大体、単純に満足させちゃったらただのご褒美になっちゃうし本末転倒だ」
「ハッ、ハッ、おう…じ!」
息絶え絶えの、困窮の哀願も当たり前のように無視してジーノは刺激を続ける。
「耳の次はどこで遊ぼうかな?」
そう言ってジーノの舌先は赤崎の耳からそのまま這うように首筋へ。顎の下の頸動脈あたりを噛みつくように刺激され、赤崎はまた体を魚のように跳ねさせた。
「んッ!や!」
少し痛いくらいに歯を立てられ、食い千切られるかのような恐怖の中で、それを遥かに超える強い快感が走る。酸欠のあまり目の前にチカチカと光が点滅し始める。
「吸血鬼ってさ、いやらしいよね?血を吸われる感じ……多分こう、ゾクゾクって、きっと首筋からの性的快感にまかれながらさ……」
「ひっ…ぅッ!」
仰け反る度に更に露わになる首筋。噛みついたり、舐め上げたり、執拗にジーノの遊びは続く。
「どうしようか、跡、つけちゃう?こんなとこ、すっごく目立っちゃうよねぇ?セリー達になんて言い訳する?キミは見られて、指摘されて、そんでまた、ああ、たまらないって、感じちゃうのかい?そういうのもやってみたかったろ?」
髪の短い赤崎の首筋。それはまるで獣に味あわせる為に露出しているかのように、どう体を捩ろうと、全ての部分がジーノの遊ぶ個所として差し出されるばかりだった。
気持ちがよくて苦しくて、呼吸がままならない。赤崎の手足は、吸ってばかりの息のおかげで痺れ始めている。過呼吸発作を起しかけている証拠だった。ジーノは赤崎が苦しくて口を手で塞ごうとしていたのに気付き、その手を掴んで口元から引き離して押さえつける。
「いや!ハッ、ん!ハッ!」
「ちょっと盛り上がり過ぎじゃない?ちょっとは落ち着きなよ。ホント、キミっていやらし過ぎ。たったこんな程度で気絶なんてしてたら」
「ぅう、はッ!はぁッ」
これ以上吸い込むことが出来ないと、そんな赤崎の激しい喘ぎが続く。追い詰められていくその姿を見て愉悦に浸るジーノが、今度は赤崎の右側の首筋にゆっくりと舌先を這わせていく。
「ボクも甘いね。あのまま失神させちゃってもよかったけど、あとが面倒だし」
「はぁ、はぁ……はぁ……はぁ……」
「うーん、右側はあんまりよくないみたいだね。フフフ、ごめん、バランスよくしてあげられなくて。次の男が右利きだったら、物足りなくてキミ、苦労するだろうね」
「だ、誰がそんな…やんねぇよ!」
反発の言葉も言葉と言えるような形で出てくることはなく、ただ甘い喘ぎ声のような音を鳴らす。赤崎の全てが今、単にジーノの興奮を高める存在と化していた。
反応は左側よりも緩い。だからといって、決してよくないわけではなかった。今までの強烈な刺激とは違う、少し鈍い快感が赤崎を襲う。その落差に体が耐え切れず、中途半端な感覚の中、苦しくも激しいさっきのような快感を求めて体が勝手に善がり悶え始めていた。隔靴掻痒。勿論それはジーノの狙い通りの現象で、実は十分に敏感な右側の首筋の、その快楽のポイントを外したわざとらしい遊びだった。
「フフ、また苦しそうだね?そうだよねぇ、さっきイキかけだったもの。じゃぁ、暫く興奮が収まるまでここ攻めてあげる。すぐにイッちゃわないよう我慢のお手伝いだよ?優しいなぁ、ボクは」
「苦……しく……なんか!」
「だってほらモジモジしてるじゃないか。それは無意識じゃなくて意識的にやってるんだろう?自分で気持ち良くなりたくてわざとそうやって……卑猥にさ?」
「ちがッ!んッ……」
「惨めな姿だね、なんとか誤魔化しながら、気付かれませんようにってボクの体にそうやって擦りつけて……きっと下着の中、少しもう汚しちゃってるでしょう。着替えはあるの?」
「黙ッ……」
「もう遅いか、今更」
「うるさッ!はぁ」
「服にも少し滲み出してきてる。ほら、見てごらんよ恥ずかしげもなくこんなに。ヌルヌルしたその自分の漏れ出たやつの感触を、ボクに秘密でこっそり楽しんでるつもりだろうけど?そんなの見え見えだ。ほら、こんなに湿とらせちゃってる。見なよ、ねぇ」
「あぁあッ!」
「やれやれ、聞いてないか……もう、時機に出ちゃいそうだよね。自分で処理するかい?ボクの見てる前で」
ジーノが赤崎の右手を取り、そうっとそこに誘導する。言われた通りすっかり欲情で高められたそれに触れたら、すぐにもイッてしまいそうだった。体に火がついて一刻も早く達したい赤崎はその羞恥と期待に強く葛藤しながら大人しくそれに従った。早く、直に、指で、思いっきり。ジーノがいても、見られていても、もうこれ以上耐えられない。ああ、あと少しで、もう少しで解放される、この責め苦から。そんな風に期待に胸躍らせてその時を待つ。
「フフフ、なわけないだろ?」
「ッ!」
あと数センチと言うところでジーノが乱暴に赤崎の右腕を再び押さえつけると、男は十字架に貼り付けた様な姿にさせて、超然と赤崎を見下ろした。
「駄目駄目、さっき言ったろう?今日はそんな簡単にはイかせない。ボクも触ってあげないし自分でも触らせない。本当にキミは愚かだね。簡単に騙されてつまんないっていうか寧ろ呆れるよ」
くぐもった声を漏らしながら、赤崎はされるがままにジーノのねっとりとした深いキスを受けていた。ジーノのその蠢く舌先はゆっくりと、垂れた唾液も何もかもをさも美味しそうに舐り続けていた。ジーノはもっとそれを味わいたいと、喉をコクリ、コクリと時々鳴らした。
