鎖に繋がれて 11
やっとこジノザキ仲直りして、チュッチュしながらおしまいです。と言いつつ、エピローグ的な話もチラチラUP予定です。よろしければそちらも。ザッキー無双!ってやってたらなんだかどうにも……一応ジノザキですよ?
帰還
ふと我に返ると、赤崎はまるで自分の一部とも思えていたジーノの肌の温かみが傍にないことに気が付いた。あれは夢?幸せな。どこから夢?どこまで夢?そんな、なんで?と不安が襲う。
「ザッキー、ゴメンね、ちょっと起きて?大丈夫?」
朦朧とした中、ジーノの呼ぶ声が聞こえて安堵する。ああ、夢ではなかった。あの人は今、ここにいる。その姿は、赤崎の夢の中に住んでいたジーノの儚く美しいその姿にとてもよく似ていた。本当はこんな人だったのだこの人は。でもとっくにそんなことなど知っていた。優しすぎて痛い顔一つまともに出来ない繊細な人。本当はこんなにも水晶のように塵ひとつなく澄んだ人。透き通るほどに純粋な人。
ふと気が緩んだタイミングで赤崎は、ジーノにゆっくりと体を支えながら起こされる。男は何やら手に持っている。
「これ飲んで?抗生剤と鎮痛剤だよ。ちゃんとしたルートで手に入れたものだし、ドーピングひっかからない種類だから安心していい。早めに飲んでおいた方が。あと、辛いだろうけど一回シャワー行って体流そうか。歩けるかい?」
赤崎は精も根も尽き果てる、そんな夢現の感覚の中にいた。何がどうだか思考が働かず、なんとなくジーノに言われるがままに渡された水で錠剤を飲み、抱きかかえられる形でヨロヨロとバスルームに向かう。体のだるさと疼きと、ジーノの手の温かさ以外はほとんど何も感じないくらい、深く疲労し虚脱しきっていた。
いつの間にかベッドに戻り、眠っているのか眠っていないのかよくわからない感覚の中。赤崎はジーノの呟く様な言葉の数々を子守歌のように聞いていた気がした。
「随分と無茶……したね?無茶っていうか、無茶苦茶っていうか?」
「キミってば全く……、それに……ボク……も?」
「……フフ、なんて馬鹿なんだろう……こんな……」
「でもおかげで、やっと……」
チュ、と額に感触。
――ただいま、ザッキー
* * *
温かいその腕と胸に包まれているせいか、薬が効いてきたせいか、赤崎はぼんやりそのまま、夢も見ない深い眠りに落ちていく。
「お疲れ様。少しでもゆっくり眠れるといいんだけどな」
心地よい睡魔が赤崎の全身を抱く。深く深く、吸い込まれていく。髪を梳く優しい感触。もう、何も聞こえなかった。