鎖を解いて 2 【2部完】
ジーノと赤崎 ジーノがロッカールームに戻ると、すでに赤崎が着替えを始めていた。 …
ジーノと赤崎
ジーノがロッカールームに戻ると、すでに赤崎が着替えを始めていた。ジーノがこんなに痕をつけたのは今回がはじめてなので、赤崎本人は全くその存在を忘れているようだ。
「ザッキー?帰りはちゃんと気を付けて着替えるんだよ?はしたないから」
「え?…あ!!!」
たったそれだけ言っただけで赤崎の顔が赤く染まる。慌ててカフの輪痕と色濃いキスの痕を隠すかのようにユニフォームを着る頃、ジーノもようやく着替えを始めた。
暗がりで見たのと違って、日の中で見た男の体はやはり少し筋肉が落ちていて、情事の痕跡以外にも、何があったらそうなるんだろうと思うような未だ血が滲むような深い傷なども体中に残っていた。
赤崎は見てはいけないものを見てしまった罪悪に思わず目を背けた。その傷全てが、彼の内面にある治りようのない傷と同じものに見えて正視できなかった。
「おまたせ、ザッキー。おいで?」
声をかけられて顔を上げると、さっきの姿とは全く別人の、自信あふれるいつもにも増して美しい、ETUの誇る司令塔の姿がそこにあった。赤崎は目を背けてしまった自分を恥じ、足早に彼に近づく。
「どうしたの?変な顔して」
「変な顔は元々ッス」
赤崎は、靴を履きかえて自分のロッカーに座る王子の前に跪くようにしながら言った。
「また、そういうことを言う」
そうして、どうしてこういつも自分は可愛げがないんだ、と思いながら抱きついた。ジーノはそんな赤崎に、変な顔じゃない、可愛いよ?と言ってそっと抱き寄せる。
然るべき場所に然るべき人がいる。今、その人が我が身を包む。公私の区別が激しい自分とジーノの、こんなちょっとした秘密の行動が嬉しかった。大体自分が一番嫌だったことを、今こうして色々喜んでしまうとは、随分二人毒されたもんだと、半ば呆れる。
「う~ん、あらためて……やっぱりいけないねぇ、これ」
「何がッスか?」
「ほら、お互いウエイト落ち過ぎ。これじゃスタミナ、ガタ落ちじゃないかな?」
「しょーがないッスよ今更。でも薬飲んだせいか体調はなんかいいし、軽くなった分動ける気はする」
「そうだね、ボクもなんだかそういう感じだよ。あれかね?実際動いてみないとわからないことだけど、修行僧みたいにストイックに成り過ぎないで、たまには不摂生するのもいいのかもね?」
「いや、それはちょっと」
「ハハハ」