お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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絆に結ばれて 1

渾身のイチャ甘ジノザキになる予定。「仲良く遊ぼう」はゲス顔で書いた「沢山遊ぼう」と対。ジーノ長いトンネルを抜けた結果、中からぴょこんと子供が出てきてしまいますが、心を痛めた人は回復期に悪化→赤ちゃん返りすることがあるそうで一応それを踏襲しています。ジーノの回復とザッキーの成長はまだ始まったばかりです。

仲良く遊ぼう~戸惑い

 一度ご無沙汰になってしまえば、次のタイミングは難しくなる。そんなものが俺ら二人の関係の中で訪れることになるとは思ってもみなかった。だって相手はあの王子だぞ?

「おやすみザッキー、また明日」

 いつものように二人キスをし、でも日増しに増える、この気まずさ。俺の体を気にして王子が自分にセーブをかけ始めてからそれなりの日数が経っていた。途中、俺のほうが辛抱出来なくて彼に襲い掛かったあの夜は、本格的な行為ではない戯れで俺達は互いの性欲を解消した。いつにない刺激のその時間は堪らないものでもあったけれど、一口飲めば益々潤いを求める喉のように、二人はそのもどかしさを痛感して、その行為をその後も続けるようなマネはしなかった。要するにどれだけ気持ちがよかろうとやはり、それではもう俺達二人は物足りない関係になってしまっていたというわけだ。

 風呂上がりに王子が差し出す軟膏を断った日から早数日。それっきり彼はそれを持ち出すこともなくなったし、俺がそれを要求することもなくなった。つまり、もう大丈夫、という二人の中の暗黙の了解でもあって。
 だから軟膏のお断りを入れた夜はドキドキしたのだ。あの聡い人が意味を取りこぼすわけはなく、数日後に控える試合を思いながらもそれでも俺はそんなに激しくなければ大丈夫だろうとタカをくくり。でも、俺の中の最高の盛り上がりを見せたその夜も王子は当たり前のようにおやすみの挨拶をして寝てしまった。日々、回復を待ってくれていたものと信じていたので、当然俺は呆気にとられた。

 そこからまた二人は奇妙な夜。口ごもる王子。戸惑う俺。眠る前の儀式である星降るキスの陰で俺が吐息を零せば、王子はカッと頬を染めて、じゃ、おやすみ!と言って今みたいに突然上掛けを深くかぶって顔を隠すようにしながら強引に寝てしまう。何故そうなる。わけがわからない。

「王子、あんたねぇ!」

 俺はとうとう無理矢理王子の布団を引っぺがして、大きな声で怒鳴りつけた。あとはもうお決まりのくだらない口論が始まる。そして挙句に彼の口からついて出た言葉がこれだった。

「だってザッキー思ってた以上にやらしいんだもん!」
「はぁ!?なんだって!?」
「困るんだよ!そういうの!ギラついちゃってさ!恥ずかしいッたら!」
「んな!どの口がいってんだ!あんたのほうこそ今まで俺に散々何やらかしてきたと思ってんだ!」
「うるさいうるさい、うるさーい!」

 売り言葉に買い言葉の中で、混乱した王子がまるで自滅のような一言を放り投げる。

「だってボク最近お遊びのほうもご無沙汰だから!」
「ったりめぇだろ!一緒に暮らしてる状態で俺がこんな体だからって他の女に手ぇだそうとか思ってたのかよ!」
「だからしてないって話だろ?ちゃんと言ってるじゃないか!だから……」
「だから?」
「だから、もうやだ、この子。馬鹿、鈍感、意地悪。もう無理」

 逆切れの上ふて寝をかまそうとする王子の首根っこをひっ捕まえるつもりでこちらを向かせると、王子の顔はまたみるみる真っ赤に染まっていく。なんなんだ。

「馬鹿。エッチ。スケベ」
「るせ。ちょっと黙ってろ王子」
「来ないでよ、駄目」

 ごねてるその口を塞ぐようにキスをすれば、頑なだった王子はみるみる体を緩ませ、ウットリとした表情を浮かべたと思ったら両手で俺に絡みついて深く、濃厚なキスで返事をし始める。やっぱしたいんじゃないか、この人。そう思う間もなく、滑らかにその指先は俺の素肌を這い、久しぶりの甘い愛撫に俺はまた吐息を零す。

「ん……王子……」

 その後の王子はあまりに性急だった。

「ザッキー、やらしいんだから。ボク、困るよ」
「あ!あぁ、そこ……ッ……」

 あっという間にスルリと侵入してきた王子の手が、瞬く間に俺の昂ぶりを刺激し始める。体が痺れるように自由が利かず、混乱する俺を置き去りに彼の手はそのまま俺の体の奥にまで。先走りだけの潤いだけでは引き攣る入り口。それでも待望の時が訪れたとあって必死になって俺はそれを受け入れた。

「ザッキー、ゴメンね?でも我慢して」
「あ、王子!痛ッ、んッ!」

 激しい痛み。行為の最初のこの儀式。でもこんなに強引にこじ開けられたことは今までなかったかもしれない。掻き回されながら激しく抜き差しされるその刺激に俺は呼吸を乱し、嬌声を上げ。その口に王子はキスをしながら、彼の下腹部の熱と俺の熱とを触れ合わせる。まるで蛇のように蠢く、汗と分泌液のぬるつくには足りない湿度の中に存在する二つのそれの感触に俺は激しく悶えていた。自由がきかない。

「いや、だ、王子、俺このまま……あ、いや……」

 もう限界だった。たかがこれだけ。ものの5分もしないうちに俺は王子に追い詰められて達してしまいそう。泣きそうになりながら喘ぎ喘ぎ王子に許しを請うと、王子は急に表情を変えて、ホッとでもするように強烈な戒めのような愛撫から俺を解放した。

 言葉では嫌がりながらも急に行為を中断されて俺は思わず無意識に王子のその抜き去る指先を追うように腰をくねらせる。ちょっと待ってね。王子のその一言に、必死になって突然空虚になってしまった自分の体をギュッと強張らせて彼を待つ。

「ザッキー、仰向け」
「んッ」

 竦んでいたはずの俺は王子の誘導であっという間に大きく足を開かれ、いつの間に彼がそれを手にしていたのかもわからないままに、あの場所にたっぷりとローションを塗り込められていく。

「あ、あ!」

 知ってしまったあの愉悦が、臨場感を持ちながら全身を駆け巡る。王子らしからぬ即物的な愛撫の中で、もう堪らなくなった俺は叫ぶようにそれを口にする。

「はや、く、王子!はや……、んッ!」

 その思いを受け止めたのか関係ないのか、また先ほどと同じようにぶしつけな程強引に王子は俺の中に入ってきた。痛くて、でも、その激しさに俺と同じようにこの瞬間が待ちきれないでいる彼の心を実感し、だから、俺は無意識に歯を食いしばり、彼の背に爪を立ててその瞬間を耐えた。いっそこのままめちゃくちゃに、あの日と同じようにでたらめに俺を。そんな思いで必死で彼を受け入れた。
 その時、王子もまた食いしばる口元から、呻き声のような喘ぎ声のような、痛みなのか快楽なのかわからないものを零しながら、それでも必死でこう呟く。

「大丈……夫?痛い、よね?」

 らしくない性急さは彼の中の罪悪感も生んでいたようで、その表情が切なくて必死になって俺はかぶりを振る。その瞬間、もう限界だと王子は激しく俺を抱き、一気にテンションが上がった俺はあられもない声を上げながら、幸せと快感のあまりダラダラとだらしない形で精を漏らし始めてしまう。王子もまた、苦しげに行う呼吸の中で、それをローションとともに器用に掬い取って強く激しく屹立のそれを乱暴な扱いで嬲りだす。快楽が快楽を引き摺り出す強制的な行為にあっという間に俺は達し、そして吐精後も彼の刺激は止まることなく、その強引さに思わず俺は音を上げる。

「あ、も……いいです!やめ、はなし、て!」
「もう少し我慢して?もうちょっと」
「あ!ううぅ!な……なん、で!あぁ!」
「いいよザッキー、もう少し、そしたら……」
「やだ、変だ!助けて、ゆるし……苦し……あ!いや!出る、何?苦ッ」

 射精後萎える暇なく刺激を続けられた場所から、我慢出来なくて何かが噴出した。

「あッ!うぅあ!あ!」
「出来た……あ、すご……」

 こんなこと、初めてだった。王子が激しくそこを弄り絞り出すようにされて、所謂俺は潮を吹いていたのだ。腰の後ろがズンと重く、それはまるで拷問のような快感。辛いのに王子に擦られる度に吹き出すそれを感じながら俺はまるで粗相をしてしまったかのように羞恥で死んでしまいそうだった。そんな中で、

「すっごく、あ、いい、やらしくて、気持ち……い……もっと締めて……」

と、感極まった表情で王子もまた、俺と同じようにあられもない声を上げて深く激しく抉るように快楽を追い、そして体を引き攣らせるように俺の中で達していた。

「あぁ、幸せ……」

 肩で息をしてぐったりと覆いかぶさっていた王子が少し落ち着きを取り戻した時呟いたのがこんな一言だった。俺もまた同じ思い。でも今日のこれはあまりにも、あまりな。

 久しぶりのセックスで自分が先にイッてしまうのではないか、だってもうこんなにも自分は好きになってしまったから。先日初めて互いを口で味わい合おうとした時、王子がそんな不安から俺を抱きにくくなってしまったようだった。そのことを俺が知ったのはずっと後のことであり、そんなちっぽけで尊大な男のプライドに振り回されていた王子が大層狼狽しながら俺を抱いていたのだというその現実が可笑しくて、嬉しくて。

「慣れれば気持ちがいいらしいよ?」

と、事ある毎に俺に潮を吹かせようとする王子に、俺は

「挿れながらそれやったの、そんなに気持ちよかったんですか?」

と悪びれずに言い返すようになり、その度王子は

「キミって、ホント恥ずかしげもなくそういうこと……よく言う」

と真っ赤になって悔しそうな負け顔を浮かべ、

「やらしいんだから!」
「躾がいいもんで」
「馬鹿言ってる!もう!」

と。笑いながら。絶え間なくキスを繰り返し繰り返し、時に性急に、時に苦しい程互いを焦らし合うように。そんな風に、幸せでどうしようもない夜を、もう幾晩も幾晩も過ごすようになっていったのだった。