【お題】泡沫の夢より
【10940文字】
秋ごろ書いていた習作詰め。
Twitterのお題bot「泡沫の夢」さんからお借りしました。
殆どワンドロ未満。イメージはひとコマ漫画的、一部連作っぽいものも。番犬海外移籍前提の悲恋設定多め、脳内で再会妄想の補完ヨロシクお願いいたします(丸投げ)
ただきみは、そこで夢に微睡んでいてくれるだけで良い。騙されていて。
— 泡沫の夢(手動お題) (@ut_dree) September 10, 2015
<SS>
君はずっと、思っている。
――どうせ、あんたは俺のモノになってくれるわけもありませんしね
何故そう思うかについて、僕はそれ程疑問を持たない。確かに僕はあくまでも僕のモノで、誰のモノでもないからだ。
(君だってそうだろう?ザッキー、違うかい?)
人を愛するというのは、とても不可解な心の動きだ。ともするとこの思いがそれであるのか、時にあやふやな気分にもなる。
僕達は互いに惹き合っている。『一緒にいたい』『一緒になりたい』と求め合っている。けれど、僕達は何処までいってもただの二人で、成就はただの錯覚に過ぎない。僕達がぶつかり合うように繋がる行為も、何一つ結実させる力を持たなかった。ただほんの一時の間、快楽の夢に酔うだけの。僕達の現実の全てを、一瞬忘れてしまえるだけの。
「……寝ちゃった?」
僕は君が居てとても幸せだ。君もそれは同じだろう。でなければこんな時を過ごしはしない。意味はある。例え、二人だけの未来が存在せずとも。
(僕達が本当に欲しいモノ。それは僕でなく君でもない。つまりはそういう事なんだろう)
別離が前提で始まった二人だ。君の判断にも異議はない。例えば悲しき分岐の日が来なければ、更なる悲しみに落ちるだけだ。
(君が本気で僕を望むなら、なんて気持ちがないわけでもないけれど)
確かに愛はあるのだと思う。僕がこんな事を思ってしまう程度には。だから騙すつもりもないけれど。
(僕は絶対に君のモノにならない。そんな素振りも見せはしない)
果たして、ならないでいてあげるのか、なってあげないだけなのか。それとも単になれない事にヘソを曲げてそう思うのか。愛の心の動きというのは、僕にはあまりに難解過ぎる。よくわからないと思う事も多い。
(どう思う?愛としてちゃんと君を包めているかい?)
ともあれ、僕が今一番に思い、願うは、ささやかながらこんな事。
「ザッキー、今日もいい夢を」
――君の大切な夢と幸せが、この先もずっと続きますよう
