【お題】泡沫の夢より
【10940文字】
秋ごろ書いていた習作詰め。
Twitterのお題bot「泡沫の夢」さんからお借りしました。
殆どワンドロ未満。イメージはひとコマ漫画的、一部連作っぽいものも。番犬海外移籍前提の悲恋設定多め、脳内で再会妄想の補完ヨロシクお願いいたします(丸投げ)
こんな時、誰かが傍で、あわよくばその誰かはあなたで
— 泡沫の夢(手動お題) (@ut_dree) August 12, 2015
<SS>
とても悲しい出来事があった。中身は誰にも言えなかった。例え相手が君であっても。僕は悲しみに対する耐性がなかった。言葉にするだけで、壊れてしまう。
「王子?」
「ん?」
「なんかありました?今日、変ですよ?」
「どうせ僕はいつも変だよ」
「またそんな言い方を」
取り繕うのは結構、得意な事だ。でも君は、こと僕に関するボロに気付くのが得意だった。なんだかおかしくて、笑ってしまう。いつも僕に負かされる君だというのに、君に敵わない矛盾が愉快だ。
「ちょ、そういうの不気味ッスよ?今の会話の何がそんなにおかしいのか……」
君が愛おしくてたまらなくなる。
「王子?」
僕は君を引き寄せる。いつも嫌がる君だというのに、こんな時、不思議な程君は察しが良い。
「……」
よく君に甘えてしまう僕だけれど、悲しい時、以前は一人でどうしていたのか?その記憶がもうまるきりなかった。それ程君は一部になった。
「ありがとね」
軽く口づけて身を起こすと、
「いや、別に。なんつーか、もう慣れました」
なんて、わけもわからずに笑っている。だから繰り返し繰り返し僕は言う。
「本当に良かった。君が居てくれて」
