お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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あー、もううっとうしい!

ジノザキデー、おめでとう!何これ?どう考えてもバカップルというよりもプルなしの単なる馬k(ry タイトル通り清々しい程鬱陶しい仕上がりとなりました。1P目が赤崎サイド、2P目がジーノサイドです。複雑すぎる男が1周も2周もまわった結果とってもシンプルになって、元々シンプルな男はそういう部分が全部ツーカーにわかってしまうというそんな奇跡的なお話。

        ジノザキ

 雑誌を読み終わると王子はテレビを見ている俺を見始める。じーっと穴が開くんじゃないかと思うほど見つめる。なのでこっちはちっともテレビに集中出来やしない。

   あー、もう鬱陶しい

人差し指と中指を使って、カウチをテンテンとピアノを弾くように交互に5回叩いている。指先をチラッと横目で見て、彼の顔もチラッと横目で見る。ちょっと甘えたような可愛らしい顔。この人はこんな顔をするとき、一番タチが悪いのだ。

 テレビがCMになるとまたテンテンと5回ずつ。1,2,3,4,5と叩いては休憩、1,2,3,4,5と叩いては休憩している。気になる。チラッと横目で見ると、いたずらっ子のような顔に変っている。しばらくほっといて、またチラッとみると、リズムに合わせて口をパクパクしている。なんかの暗号遊びかよ、とそのまま横目で見ていると、どうやら小さい小さい声でリズムと一緒に何か言ってるように見える。退屈だって言ってる?そう思うとそう見えてくる不思議。ほら、そう見える。

   タ イ ク ツ ダ ~
   タ イ ク ツ ダ ~

 呆れて俺が溜息を付くと、通じたのが嬉しかったのか満面の笑みを浮かべ、今度は二本の指を小人が歩くみたいにしてまた5回ずつ。チラッとまた口元を見ていると、小さく呟いている。

   カ マ ッ テ ヨ ~
   カ マ ッ テ ヨ ~

「あー、もう。この番組、あとちょっとで終わりますから。」

 俺が仏頂面でそういうと、眉をひそめて王子も仏頂面。番組がまた始まったのでそっちに目を向けると、CMが終わってるのに王子はしつこくテンテンとゆっくりとしたリズムを刻んでいる。今回は5回ずつで止まらない。チラッと王子を見ると手を止める。またテレビを見始めるとテンテンと音がする。あー、これ、だるまさんが転んだ、でしょう?王子?全くこの人は。しばらくほっとくと、テンテンと音を立てて歩く彼の指先のてこてこ人形は、俺の太ももに登ろうとし始めていた。ムッとしてそれを見るとまた止まる。目を逸らすとゆっくりとまたテンテンと登り始める。咎めるように王子を見ると、満面の笑み。飽きれて無視してテレビを見ようとすると、登り切った俺の太ももの上で奴は楽しく踊るようにテンテン、テンテン、遊び始めてしまった。

「王子!いい加減に!」

 目が合うと指を止める。本当に馬鹿馬鹿しい彼の遊び。恥ずかしくないんだろうか?こういう頭のネジがとれてしまった恋人同士のようなじゃれあい。俺はもうすっかり赤面してしまって、どんな顔をしていいのかもわからない。だから無理矢理またテレビを見ようとした。

 すると彼のてこてこ人形は、本当にゆっくりと忍び足のように今度は太ももから足の付け根の方に歩き出す。ゆっくり、ゆっくり。この人何を一体するつもりだと、こっちはハラハラし始めてちっともテレビの内容が頭に入ってこない。足の付け根の繊細な部分に差し掛かって、俺は思わずビクッと体を震わせてしまう。瞬間人形の足取りが止まる。この先どこへ行く?と俺の体が緊張する。でも、心配は杞憂だったようで、人形の足取りは次第に付け根を超えてさらに上半身に登り始めた。ゆっくり、ゆっくり。ああ、俺は脇腹も駄目なんだ。一生懸命我慢をしているのだが、我慢しきれないポイントに近付いて、俺はまたビクッとしてしまう。人形が止まる。そして足取りはさらにゆっくり。一歩ずつ、少しずつ登り始める。俺は知らない間に息を止めてしまっていた。少し荒い吐息になっているのを彼に知られたくなくて。チラッと彼を見るとやっぱり笑顔。そして人形の足が止まる。指がそこに置かれているだけなのに、王子の感触がもう全身にまわる。体がイジイジしてきて、ふっと彼から目を逸らす。また再びてこてこ人形は歩き出す。ゆっくり登る。

   フフフ♪

 王子のてこてこ人形は、俺の上半身にある敏感な突起の周囲で右往左往。服の上からなのによくこんなに明確に場所がわかるものだと呆れるくらいに意地悪に周辺をクルクル回り出す。息が不自然になっていき、トクトクと心音が速くなってきているのが自分でもわかる。もう、テレビなんて見てられないくらいに目は細まってしまっていて、もう、王子のてこてこ人形に全神経が持っていかれてしまっている。

 さらに王子の指は上へ。俺は鎖骨も駄目なんだ、王子。もう、小刻みな震えが止められなくなってきている。まるで滑り台で遊ぶかのように、二本の指が鎖骨の上をスイーッと何回も往復する。ビクッビクッと体が勝手に揺れる。そして人形は更に上へ。王子、俺は首筋も、耳も駄目なんだってば。ゆっくりソフトな彼の指先のタッチ。じわじわと。なめらかに。耳介の隙間をらせん階段で遊ぶかのようにくるくると。

 その後彼の指はゆっくりと頭のてっぺんのつむじをめざし、今度は少しスーッと降りてきて瞼に向かい、まつ毛に触れるか触れないかの接触を試み、頬をつたい、唇へ。焦らすような彼の指先に思わず俺は我慢しきれず熱い吐息を漏らしてしまう。ああ、きっと彼の人形はこのまま俺の口内に。そんな期待に震えはじめた時、

   ハイ、ゴォ~ル!
   バンザ~イ、バンザ~イ

 明るいまるで腹話術のような小っちゃい声を出したと思ったら、王子の指先がキュッと俺の唇を掴んだ。いきなりのことでびっくり我に返ったら、テレビからは番組のエンディングソングが鳴り始めていた。そう、王子はゴールのタイミングとテレビが終わるタイミングを合わせていたんだ。この人、最初から俺の邪魔するつもりで!唇をつままれたままの姿で、不満げに彼のほうにぐいっと顔を向けてみたら、やっぱり彼は満面の笑みを浮かべていて、

   ワ~イ
   カマッテ~?カマッテ~?
と人形の声のアテレコをしながら、唇を二本の指でテンテンと爪弾き始めた。なんていうニコニコした顔だろう。やっと時間がやってきたとでも言うように、人形は彼の優しい指先へ戻り、俺の耳元の髪を梳き、そのまま顔を寄せて嬉しそうにキスをしようとする。だから、俺はぎゅっと顔をしかめてメッ、とした顔のつもりで口を一文字に閉じてみた。彼は今度は少し眉を寄せてこう言った。

「駄目かい?」

ちょっぴり唇を尖らせて拗ねた顔しておねだりをされてしまう。結局俺は笑いながら、近寄る彼のその尖った唇を、あむっと思いっきり食べてしまった。この人といると俺は本当にどうかしてしまう。すると彼もまた笑って、反対に俺の唇をあむっと食べてしまった。クールな男のこんな可愛らしい返礼にドキッとしてしまう。クラリとする。恥ずかしいことをしまくる自分、されまくる自分。いたたまれない気持ちのはずなのに、どうしようもフワフワ幸せになってしまって。本当にどうかしてる。

「フフ、ザッキーったら意地悪な子だねぇ?ボクをこんなに待たせちゃって」

 王子は当たり前のようにゆっくりと俺をカウチに沈めていく。今にも溶けてしまいそうな満面の笑みを浮かべながら。もしかしてこの男のすべてが俺のものなんじゃないかなんてそんな幸せな錯覚の世界に陥ってしまう。

 そうして、王子は小鳥のような小さい小さい沢山のキスをまるで雨を降らすように繰り返した。まるで小さい子どもがコチョコチョ遊びを楽しむように。そして待ち合わせの場所に遅刻してきた恋人の手を引いて、はやく、はやく、と急かすかのように。

「なんてかわいいボクのangiolino(天使ちゃん)」

と、またキザな台詞を呟きながら笑うので生粋の江戸っ子な俺としてはいたたまれなくなってそっぽを向く他なかった。この人の口説き文句は歯が浮くくらいにくさいはずなのに、まるで呼吸をするように自然なんだからタチが悪い。

   誰が天使、なにその笑顔

   な~んも考えてなさそうな
   平和な面してるあんたのほうが天使だよ

   フン、このクソ王子
   こんなこと思ってしまう俺は、ホントどうかしてる

      ジノザキ