文学妄想お題ったー詰め 2
【15058文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年5月の21本分。GWもそうですが重複お題も増えて既に一日一ジノザキは無理にorz
【お題】中原中也作「臨終」◆
あなたは 中原中也作「臨終」より「窓際に髪を洗へば その腕の優しくありぬ」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
ボクはキミにまた無理強いをして、憂いの朝を迎えていた。泣きはらした目を隠すように、キミは窓辺で佇んでいる。
曇天の空、窓ガラスに映り込むキミ。ジクリと胸元に不快が滲む。キミの虚ろが痛々しい。
(ザッキー……)
乱れた髪を掻き上げる腕の内側にはボクの付けた指の痣がちらつく。
(多分気付いてないんだな。ま、そんなにクッキリついてるわけでもないから大丈夫だろう)
こんなに傷付ける横暴なボクを、それでもキミは。
「あ、おはようございます……」
気まずそうに少しだけこちらに顔を向けて。
「起きてたんだね」
「はぁ、まぁ……」
それでもキミは。
「メシ、なんかありますか?」
それでもキミは。
「王子?」
「あるよ、ここに」
後ろから強くキミを拘束して、その露出する耳たぶに甘噛みをする。
「まだもう少し食べさせてよ」
竦むキミの体を易々倒して、そうしてボクはまた。そしてそれでもキミはボクを結局。
(ああ、雨が……)
窓ガラスに流れる水滴がキミの溢れる涙のようだ。枯れる事のないキミの憂いを、ボクは残さず食べてしまおう。
「ね、感じる?」
歯を食いしばり、目を閉じて、キミは今日もボクを。
「苦しい?」
「わ、わかってんなら、もう……」
「わかってるから、興奮する」
ボクはこれしかキミを救う方法を知らない。
全部、泣き方が下手なキミのせいだよ。キミの再生の為に、今日もキミを。こんなボクを許してしまう、愚かで馬鹿なキミだけの為に。
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このSSのロングバージョン→「幸福論」
