文学妄想お題ったー詰め 2
【15058文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年5月の21本分。GWもそうですが重複お題も増えて既に一日一ジノザキは無理にorz
【お題】萩原朔太郎「その手は菓子である」
あなたは萩原朔太郎作「その手は菓子である」より 「ああ その手の上に接吻がしたい そつくりと口にあてて喰べてしまひたい」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
手に絡む指、温かいひら、ネットリと這う淫靡な舌先。王子があまりにも美味しそうにそれをするので、いつしか俺もしてみたくなって。
(ちょっとだけ……)
祈りを捧げるかのように繋がれた王子の手の甲に、俺はひっそり唇を落とす。
「ん?」
王子が少し笑って、俺はめちゃめちゃドキドキした。
「あ、スイマセン、変な事しちゃって……」
「フフ、謝るなんて、そっちの方が変」
そして王子は俺の真似のように甲にキスして、
「ね、こういうのすっごくいいね」
とまた笑った。その瞳がとても艶めかしくて、俺はいつにも増してゾクゾクした。
(やべぇ、これ、王子完全にスイッチ入っちまった……どうしよう、その顔滅茶苦茶エロい……)
そのままクスクスと舌先で甲の節を弄ぶ王子。俺が成すがままにうっとりしていれば、唇を離して空キスされる。その仕草は何か言いたげ。すぐに同じ事をせがまれている事に気が付いた。
(どうしよう……王子を舐めるなんて初めてだ。いいのかな、本当に)
おずおずと舌先で真似をすれば、一緒になって組んだ俺の手を王子も舐めた。
「ん……」
物凄く変な感じがした。自分がして、王子が舐めて、吐息が混ざって、もう、俺は。そんな拍子に王子ときたら、ヌメヌメと中指を深く咥えて、甘噛み交じりで。そう、まるでその行為は、所謂、あれを連想させる。
「して?ザッキーも」
チュ、と再び空キスをされて、言われるがままにそれをした。二人で音を立てて、それをした。
(めっちゃ、エロい……)
息が上がる。夢中になる。一本では頬張り物足りぬそれぞれの指を、俺達は飴か何かのようにそっくりと口にあてて舐り続けた。
(これが王子の味……?)
感情も体も昂るは当然。もっと味わいを求める本能が、当たり前のように王子の指から手首、肘、肩へと、行為のエスカレートを後押しする。
「フ、くすぐったい……」
「王子、我慢してください。だって……」
「ん?」
「王子、美味しくて」
「ザッキーったら何言ってるんだか」
時々ピクリと、それでも王子は俺の悪戯を耐えて、やがてそのまま、
「駄目、もう我慢も限界だ、おしまーい!」
と大声で笑って、ガバリと俺に襲い掛かって唇にキスを。汗を舐めた後の王子の唾液は、いつにも増して甘く感じた。たまらなくてその舌先を弱く、俺は甘噛みをして唇も食んだ。
そしたら王子もそれに応えて、カジカジと俺を齧ってまた笑っていた。
「なあに?お腹空いてるの?」
「……」
笑顔につられて、凄く恥ずかしい事を言いそうになった。誤魔化す為に、キスを乞うた。
「ザッキー、どうしちゃったのかなぁ。なんか今日、すっごくエッチだね?」
とても嬉しそうな姿に俺は益々興奮を煽られてしまって、結局のところ言ってしまうのだ。
「いいでしょ、お、俺だってそんな気分になる時くらいは」
「まあ、そりゃそうか」
「だから、王子……あの……」
「ん?」
「あの、」
「なあに?」
「王子の……その……」
*
そんな行為を指示された事も、ましてやおねだりをした事も今までなかった。だからややあった沈黙にハラハラして、そして、
「ん、いいよ」
と返事をもらった時、それはどんな味がするのだろうと、想像するだけでドキドキした。
「今日は色々初めて尽くしだねぇ。なんだか少し緊張する」
ゆっくりと身を起こして準備する王子に、やっぱり俺はドキドキした。
「お、俺もです王子」
「フフ、緊張もするけど興奮しちゃうよ」
「それも同じです、俺も、王子」
本当に顔から火が出る思い。けれど俺は夢中で夢中で病み付きになった。
「さっきみたいに歯は立てないで……そのまま……ん、いい……」
王子はどこもかしこも等しく美味だと、そんな事を知ったのだった。
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色んなところをペロりシャス
