文学妄想お題ったー詰め 2
【15058文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年5月の21本分。GWもそうですが重複お題も増えて既に一日一ジノザキは無理にorz
【お題】高村光太郎「人に」
あなたは高村光太郎作「人に」より「はかない 淋しい 焼けつく様な ーーそれでも恋とはちがひます」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
ボクはボクの恋を知らず、キミもまたそれと同じであった。あまりにも激しく心が互いを求め合い続けたが故に、また、心の繋がりの成就が早すぎた為に、ボク達はその満ち足りた日々の中でそれがゴールだと信じていたのだ。
けれど、近い将来別れが来るのを知っていたボク達は無意識に、いつしか永遠を願う欲望に蓋をしていたのかもしれなかった。心だけなら空を飛べる、ならばそれが全てだと。
いつでも触れ合える距離にありながら、ボク達は決して体温を求め合わず、でもいざその近さが失われるとあって、否定し続けた思いが溢れた。
ひとつ口づければもう一口。ふたつ舐め合えばもう二口。一度堰を切れば止まりはしないと、繋がる体から互いの心もみるみる混ざる。いざそうなってしまえば何故今までこれを我慢出来たのかと疑問に思う。
「王子、俺、あんたとこうなるなんて考えた事なかった」
「ボクもだよ」
二人して結果を得る事で初めて各々を縛り付けていた封に気付く。そして、それが同時に解かれた瞬間、自分達の中の永遠への欲望を知った。
「そっか……俺」
言葉に仕切れない思いが肌を通じてボクに伝わる。うっとりと軽くその髪に顔を埋めれば、
「でも王子、俺、こんな事しなくても今までもずっとそうだとは思っていたんだ」
とザッキーが言う。紛れもない確信を得たこの夜の、たどたどしくも満ち足りたキミの姿がとてもとても愛おしかった。焼け付くような思いは昇華し、今はただまどろみの中で、全てを手に入れた成就の幸福をただただ互いに食み合うのだった。
