文学妄想お題ったー詰め 2
【15058文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年5月の21本分。GWもそうですが重複お題も増えて既に一日一ジノザキは無理にorz
【お題】中原中也「初夏の夜」
あなたは中原中也作「初夏の夜」より「嬉しいことも、あつたのですが、回想されては、すべてがかなしい」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
俺の移籍は夏だったので、なんだか夏が苦手になった。六月の良夜〈あたらよ〉の思わぬ熱気がふとあの夜を思わせるので、俺は郷愁に胸切なのまま、ボンヤリ闇空を見上げてしまう。
(王子、今頃どうしてますか?)
二人の始まりは秋だったので、なんだか秋が苦手になった。ここの街路樹はあそこと違って、まざまざ異郷と孤独にさせる。俺はひらの温かさを思い出しながら、手をポケットに入れて軽く握って寒さをしのぐ。
(王子、今頃何してますか?)
辛い思い出の春のある日。選抜の残酷が俺を苛み、王子はただ抱き締め寄り添いながら、
「発表の度に一喜一憂。それではキミの身が持たないよ」
と、小さく言った。
(身の持たない事、やらずに済むならいいんですけど)
嬉しかったのは冬のオフで、なんだか冬が苦手になった。一緒に過ごした初めての長い時が、心に抑えきれぬ惑いを生む。あまりの幸せ。自分はどこに行きたいのか。そんな時あの人は必ず、迷う心にナイフを刺す。
――それでは駄目だ。濁ったキミには興味がない
意味も分からず初めての喧嘩で、俺は今でもこう思う。
(時々突き放す優しい王子。やり直したい。あの夜だけは)
楽しい事もあったはあった。でも今は全て悲しみの記憶。
—
もちろん、ハピエン前提のワンシーン。
続きも書いてたけどこういうのは即日仕上げないときりがないなぁ……と放置案件増加中orz
