文学妄想お題ったー詰め 2
【15058文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年5月の21本分。GWもそうですが重複お題も増えて既に一日一ジノザキは無理にorz
【お題】宮沢賢治「小岩井農場 パート九」
あなたは宮沢賢治作「小岩井農場 パート九」より「《幻想が向ふから迫ってくるときは もうにんげんの壊れるときだ》」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
どんな思いで貴方を乞うているのか当の王子は知る由もない。ピッチで過ごす度、其処彼処に幻影。ボールの軌跡、ネットの揺れ、イチイチ(そうじゃない)と満たされぬ思い。超一流の美技の中でさえもやっぱり心が埋まらない。ちらつく雪、見慣れぬ街並の帰り道。ふとした香りにまた幻想。「王子…こっちじゃもう雪が」「そうみたいね」返事をしてくる幻想は初めての事で、でも引き寄せられ感じた温かさにそれが実体だと改めて気づく。「嘘だろ?本物?なんで?」互いの寄せ合う頬の冷たさ。吐息の熱さ。「どうしようもなく会いたくなって」良かった。王子聞いてください。俺今にも壊れてしまいそうだった。
