お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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テーマお題でイチャイチャさせったー1

【6461文字】
無駄にダラダラ書いてしまうので、短い話書くリハビリです。とりあえず3本。
「今ぎゅってしたら、どんな顔するんだろう」甘口
「もうだめだって分かってた」ソロエチ、ビター
「なんか今日おかしいよ」経歴捏造、+笠さん

        ジノザキ ,

診断結果
ジノザキで「今ぎゅってしたら、どんな顔するんだろう」とかどうでしょう。

<SS>

 遅刻に関しては常習犯、隙あらばすぐに帰ろうとする。自分は自分が一番わかると、完璧な体調管理と言う。

 高らか嘯く男の姿に、なるほどそうか、とも考えた。
「王子、ちょっと待ってくださいよ」
帰り際、行動を妨げるというのも、本来の自分の心情的にはNOと言えるものでもあった。だが。
「王子!」
駆け寄り、追い越しその行く道を体で塞ぎ、笑われ、躱され、また走り寄る。まるで主にじゃれる憐れな飼い犬、俺はそれでもめげはしない。
「根性あるねぇ?あきれるくらい」
「だって」
「他にやることあるでしょう?時は金なり、貴重だよ」
「いや、だからこそ俺は一度話を」
「チャオ」

*

 ある日、気まぐれな気質そのまま、王子は立ち止まり耳を傾け。
「結果が全てだ。あんたの言い分はわかってるんです」
突然のことに戸惑いながらも、思いつくままに気持ちを話した。
「俺もそうだと思うから。規律とか輪とか枠とか型とか、ああ、なんかうまく言えませんけど!手段は目的とは違う」
人にはそれぞれやり方がある。手段だって色々だ。俺は理解をしているし、ほとんど納得をしてもいる。
「でも、そういうの全部わかるのに、なんかどうしても腹立って」
俺は王子にムカついていた。何度も我慢をしようと考え、何度もそれに失敗していた。俺の言い分は理不尽であり、無意味であるのも理解をしている。
「今日は朝から来んのかなとか、最後まで居る気でいるのかなとか、どうにも練習に集中出来ない」
そう、俺は最近自分の管理がどうにもこうにも出来ないでいた。これはただの泣き言なのだ。
「あんたのせいとか言いたくねぇけど、でも、ちょっと考えてみて欲しいんです。飼い犬の調子が落ちるのは、あんたにとってもマイナスでしょう?」
以前は気にもならないでいた。チームメイトは仲間であってもポジション争いの敵でもあって、勝手にすればいいと思った。弱肉強食、自己責任。そういうものだと考えていた。
「うるさいことを言う気はないです。ただ、事前にわかってんなら、俺には先に教えてくれれば。今日は早く帰るんだとか、明日は終わりまで居るつもりとか……」
言ってて自分が恥ずかしくなる。マネージャーでもあるまいし、と。
「そしたら少しは……俺、だって……」
口ごもり、やがて口は閉ざされ、いたたまれずに目を閉じた。俺がもしも王子なら、なんだこいつは、と思うだろう。呆れるように鼻で笑って、馬鹿にするように首を竦めて。それがどうにも耐えられなくて、俺は自分の目を閉じたのだ。 
「あのさ」
王子がどういう表情だったか、当然俺にはわからなかった。ただ飼い主に躾を受ける犬のように身を固くしながら懲罰を待つ心境でいた。でもこうなるため俺はこうした。一度王子に踏みにじられて、子供のようなこのわがままを俺も潰してしまいたかった。
「言いたいことはよくわかる。でも、言い方間違ってると思う」
思うのと違う王子の言葉は、混乱の俺の目を開けさせて。
「もう一度、ちゃんと言ってごらん?」
そして見ることになってしまった。呆れるように鼻で笑って、馬鹿にするように首を竦めて、想像していた通りの姿で、心を抉られ、苦痛激しく、なのにどうしてこの瞬間、背中に甘さが駆け上る。目を逸らすことも出来ないで、唇は小さくわなわな震え、閉じ込められるみたいな沈黙。王子は俺に言葉を促す。

 それは軽い眩暈と共に、たった今割れた卵のように。

 俺がそれを口にした時、よくできました、と王子は言った。表情はあまりわからなかった。無理矢理生まれた雛鳥みたいに視界がぼやけてしまっていたし、王子に抱き締められていたから。
「ザッキー、もう一回言える?」
子供みたいな俺の頭を、王子が優しく撫で続けるので、俺はますます子供になって、王子、王子、とその名を呼んだ。
「……寂しい。もっと一緒に居たい……」
しがみ付くように抱きつきながら、王子、王子、と泣き声で。


甘え下手なのに実にお上手。稚拙で不器用、諸手で降参、「ツンの強制デレ暴かれ」は多分私の性癖です

      ジノザキ ,