お花結び

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いいよねぇ秋

ジノバキの日ですね。小噺3本。始まった瞬間からオチがわかる、そんなベタベタな典型ネタであればあるほどヒーヒー笑ってしまう。膿んでるのかもしれません。

        バキとジノザキ

いいよねぇ秋刀魚

 最近練習が終わると赤崎と椿が自販機前でしゃべっていることが多い。飼い主である自負のあるジーノとしては少し面白くなかった。話に入れてくれてもいいじゃない、なんて。だから今日は盛り上がる二人に遠くから少しずつゆっくりと近づきながら会話に参加してみることにした。多分ジーノが近づいて来ていることは二人とも気が付いているだろうが、軽く会釈するだけでそのまま話を続けていた。

「でな?椿。まずは全身綺麗に洗って。丁寧はいいけどあんまり時間かけると駄目だから」
「そうですね、ぐったりしてもいけないし」
「で、横にする時はお腹の方を自分に向けて」
「はい」
「最初どこ抑えればいいか困るけど取りあえず上の頭の方でいいから」
「頭?なんか緊張します」
「あぁ、頭っていうか首のあたりっていうか。確かにじっとこっちの方見られちゃったら戸惑うよな。慣れてないとさ」

 赤崎は随分優しい表情で椿に話をしている。椿はにこやかながら真剣な顔つきで。ジーノは迷惑なことに自販機に寄り掛かってそんな二人の姿をゆったりとした余裕を感じさせる風情でジッと眺めていた。

「……」
「ザキさん?」
「ザッキー、どうしたの?」
「…いや…別に…」

 ジーノが近づくにつれて少しずつ声を潜めはじめていた赤崎だったが、目の前にジーノが居座るらしい気配を感じて少し口ごもり始めた。

「ボク来たら邪魔だった?」
「そ、そんなことないッス!ね?ザキさん?」
「……」
「じゃ、続けて?ザッキー。バッキーも待ってるよ?」

 赤崎は椿とジーノの顔をチラチラ見比べながら、小さい声で再び話し出した。とげとげしいまでに威勢のいい日頃の姿とは雲泥の差だ。

「……で、次にケツン中に先っぽ突っ込んでそのまま腹の上に向けて開く感じで」
「うわ!い、いきなりッスか?」
「プッ…」

 チラリと赤崎がジーノの顔を見る。

「言っときますけどね王子。秋刀魚のかば焼き作る話ッスよ?」
「ん?ボクなんにも言ってないけど」
「今笑っただろ…」
「やだなぁ~そんなことないよ。聞いててさ?美味しそうだな~ってちゃんと思ってたよ?」
「嘘つけ。偉そうに何言ってんだろうな、とか思ってたッショ?」
「そんなことないよ?続けて?」
「……」
「大きく開いて中を掻きだすようにするんでしょ?」
「だからニヤつくなって」
「あとで綺麗に洗わないとお腹壊しちゃうんだよね?」
「ちょっとあんた黙っててくんね?」
「え?え?ザキさん?王子?なんの話ッスか?」

 秋刀魚の捌き方についての話のはず。

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