俺と王子と情熱と
時々ジーノの家に遊びに来る程度のまだ出来てないジノ→←ザキ。なんちゃってアドベントとしてクリスマスに向けて連載やりました。しかし予定が狂って年末まではみ出してしまった……「私の書くジノザキから連想した文章」を書いていただいたので、それをベースにスタートしました。
poscritto
「王子!王子!」
「んー?」
「間に合わない!」
「何が?」
「時間!ヤバい、俺練習の準備なんにも」
「休めばぁ?だって体ガッタガタじゃない?ボクもし過ぎで、流石に疲れてヘトヘトで」
「何言ってンスか!そんなわけには」
「一日くらい平気だよ。それにタッツミーも練習来なくていいって言ってくれて」
「自宅謹慎ってそういう意味じゃないです!それにそれ言われたのはあんただけで俺は全然関係なくて」
「あー、あれだよ。関係あるよ。ほら、ボクがごねてるから、反省文書かせるまで俺も行きません~とかなんとか適当にさ?」
「はっ、そう言えばあんた全然書こうって素振りも!」
「だからさ、それ理由にして二人でどっか行かない?」
「書く気ないな?王子!駄目だろそういうの!」
「ラグとソファ、どんなのがいいかなぁ?どういうのが好き?」
「じゃなくて!グダグダ言ってないでシャンとする!ほら、まずベッドから出て、さっさと一緒に用意して!そんで二、三行でささっとでいいですよ、あんたが頑張るって達海さんに伝わればいいんだから。もう多分大丈夫なんでしょう?きっと今日二人でやればちゃんと」
「えー、やだ」
「王子!」
「そんなのどうでもいい。今はもっとここでキミとイチャイチャしていたい。サッカーなんてしたくない」
「駄目だって!」
「今はセックスの方がいい!だって次いつさせてくれるかもわからないし!」
「駄目だって!そんな事言ってたらもう二度とやんねぇぞ!」
「あー、もうザッキーのケチ」
王子はそうして大きく伸びて、わかったわかった、と起き上がる。
「ったく、ホント、キミ元気だよね」
からかうようなその目線が、夜の揶揄を帯びている。悪戯顔でほんのり笑って、朝のキスをねだってくる。
「王子。用意しねぇとキスもなしだ」
ギロリと強く睨み付ければ、子供のように肩を竦める。全く勘弁してほしいもんだ、とその足取りはいつも通りで、疲れなど微塵も感じさせない。
「元気なのはあんたの方だし、勘弁してほしいのはこっちの方ッス」
今度はキロリと睨み付けられ、王子は俺にこう言った。
「スタミナに自信付けたいなら基礎トレ増やせば?」
「るっせぇ。あんたが元気なのは昨日フルで練習こなしてないからでしょう?」
「おや?それを言うなら断然ボクの方が負担があったに決まってるだろう?夜の営みってされる側よりする側の方が」
「わー!わー!王子、黙れ!」
「ほら、キミ全然動けるじゃないか、頑張れ、頑張れ」
そう言って王子は笑って俺と二人で追いかけっこ。争うようにシャワーに行って、バタバタと朝の支度をして、
「王子、間に合わねぇから朝飯、コンビニ寄りましょう」
「えー?やだよー」
「駄目です、ほら」
「生ジュースだけでも」
「急いで急いで」
「先行ってよ」
「駄目!」
「だって一緒の車で行くわけでもないのに」
「王子!着いたら一緒に達海さんの部屋行きますからね!逃がしませんから!なんだかんだあの人監督なんだから、筋だけはちゃんと通す、わかりますよね?いい年した大人なんだから!」
「わかったよ、もう」
そうして二人ドタバタとしながら慌てて各々、自分の車に乗り込んで。
車のエンジンをかけて、そこではたと気が付いた。
「あー!結局、あの人反省文書いてない!」
ドアを開けて言おうとしたら、遠くに走り去るエンジン音が、俺をあざ笑うように鳴っていた。やっぱり書く気はないようだ。
「王子らしいや」
呆れるようなこの物言いも、当然彼には聞こえないだろう。
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