俺と王子と情熱と
時々ジーノの家に遊びに来る程度のまだ出来てないジノ→←ザキ。なんちゃってアドベントとしてクリスマスに向けて連載やりました。しかし予定が狂って年末まではみ出してしまった……「私の書くジノザキから連想した文章」を書いていただいたので、それをベースにスタートしました。
Adventus 19
こんな事でヘソを曲げるなど馬鹿げた事だと自分にあきれ、それを見て全く馬鹿げた事だと彼も笑う。惨めさと恥ずかしさと、そして『やれやれしょうがない子だ』と伸びてくる彼のその優しい指先の心地よさが堪らない。
王子による一切の抵抗を許さない支配の一歩は、所謂、躾と庇護の行為によく似ていた。雨濡れる外に飛び出した泥だらけの子犬のおいたをチクリと窘め、そうしてフワフワの毛布で包む。
けれど今日もまたウットリとそれを堪能していると、まるで焦燥のような不安が俺を襲う。王子の使う飴玉の魔法はほんの束の間の夢でしかなく、甘さを感じた次の瞬間、俺は当たり前の様に素に戻る。居心地が良ければ良い程、その反動で息苦しくなり、そのどうしようもなさに体が、ふい、と逃げてしまう。
すると王子が溜息をついてこう言った。
「……ねぇ、ザッキー。そうじゃない」
落ち着いてはいるがワントーン低いその声質に、俺は思わずドキリとする。俺がこうなのはいつもの話。反応があるのは珍しい。目を逸らした先から感じる気配で如何に王子がゲンナリしているか伝わってくる。
「な、何がッスか?」
「……なんでキミさ、そうやって話をややこしくしたがるの?」
これは俺を見透かす王子の苦言。なんで俺はいつもいつも。それは俺自身も思っている事だ。でも咎めるようなその言葉尻が気に食わない。だから俺は更にねじれて、益々話をややこしくする。
「ややこしいのは寧ろあんたじゃないですか」
馬鹿に馬鹿を重ねる俺を、王子は一体どう思う?
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