犬の俺だってわかる事
特殊設定閲覧注意。お題文から始まる後天性人化(黒)わんこ崎です。三次創作を完全に勢いのままに……はるさん許可ありがとうございます!(三次創作と言いながらも完全にパラレルで犬な崎なところだけが同じですしキャラも崩壊しています)
飼い主の中のタブーの疑惑
「今、なんて?」
そう言った王子の姿を、俺は静かな炎みたいに危険でとても美しいと思った。
「何?その顔」
(綺麗、綺麗。王子、綺麗……)
ままならない自分の体。苦しみの中でとうとう自分の中の何かがふつりと切れた音がした。
「俺、気付いてました」
「……何がだい?」
「毎晩、ずっと寝たふりをしていただけだったんだ。王子。この意味、わかりますよね?」
そうして俺が真っ先に口火を切ったのだった。人間擬きになって早数か月。もう、我慢の限界だった。
下着を汚さない対策を教えてくれてから暫くして、王子は夜、ゲストルームで寝るようになった俺のところに時々ひっそりとやってくるようになった。王子は息を潜めて俺の髪を延々と撫でて、最後にそうっと頬にキスする。少しでも俺が動くと慌ててキスなしに部屋を出て行ってしまうので、一緒になって息を潜めた。
「それが何か?」
「一杯、頭撫でて、昔みたいに耳の傍で……やんわり俺の匂いを嗅いで、優しく頬ずりしてくれる。すっごく変だ。そうですよね」
「……何故?そんな事は昔からよくやってた事で」
「違う。全然違う。だって王子、コソコソしながら俺にバレないように気を付けてる」
「それは寝てるの起こすのが可哀想だから」
「じゃ、起きてる時にすればいい。前はそんな風にしてくれてました。堂々と出来ないのは、俺達はもうそういう事、しちゃいけないからでしょう?王子、ずっと俺にそう言ってましたもんね?」
「……」
「俺とはもうそういうのは、出来ない、出来ないって、いつも王子は。でも、王子はいけない事してる!王子はいけないんだ!自分だって好き勝手やりたいだけじゃねぇか!俺にばっかり偉そうに文句言いやがって!」
「待って。ねぇ、落ち着いて……違うんだ、そういう事じゃ……」
「駄目だよって俺に怒るくせにズルだ!俺に隠れて!抜け駆けみたいに一人だけ俺の事楽しんでる!」
「ザッキー」
「王子は、しちゃいけない事を、駄目な事を、そういう事、本当は一杯俺としたいんだ!俺の事触ったり、匂い嗅いだり!内緒にしようとしたって俺にはもうバレてるから!そうでしょう?王子!」
時期は春。本格的な犬の発情期の到来だった。
「だって王子だって俺の事が大好きなんだから!そんなの犬の俺だってわかる事だ!好き同士が一緒に居たら自然に交尾したくなる。そんなの当たり前なんだよ犬は!本当は人間だってそうなんだ!ねぇ、違う?そうなんでしょう?隠さないで教えて王子!」
あの時期、俺の心も体も全て人間の理性から逸脱を始めていた。人になって尚そういう周期が俺の中にあるという事実は、その後繰り返される歳月の中で少しずつ二人で理解していった事。
「生殖行為!知るかよそんなの!本当の事以外のものなんて俺はいらない!」
「やめて、ザッキー……」
「人間には交尾を隠れてやる習性がある。本能なんだ。ねぇ、王子、だから王子もコッソリやろうとしてンでしょう?ホントは!いつ俺と交尾しようかって、どうやったら俺にバレないように出来るかって、ねぇ、本当はそういう事なんでしょう?お願い、そうでしょう?」
「……」
「王子は、俺と交尾、したいんでしょう!?俺の知ってる好きって、本物の大好きって全部そういう事だ!なぁ、言えよ!我慢してるって!もう限界なんだって!」
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