文学妄想お題ったー詰め 3
【10452文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年6月の13本分。
【お題】中原中也「夏」
あなたは中原中也作「夏」より「血を吐くやうな せつなさかなしさ。」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
「やめたほうがいい」
と宥めすかされ、それでも食いついて俺は得た。そうでないと、飛べなかった。彼は程よく俺を理解し、最後の最後に受け入れてくれた。
俺達の関係は始まりもないまま、そうして終わりを迎えたのだった。眩むような眩い朝に俺は王子にこう言った。
「ありがとうございます、これで気が済みました」
血のにじむあの夜を、今も度々思い返す。煌めく世界があの夜、死んだ。俺は得ることで失ったのだ。
「だから、やめたほうがいいって言ったのに。こんなことを選んでしまって……」
最後の言葉が忘れられない。別れ言葉の真意は何か。
(なら、どうあれば良かったというのか?あれはあんたが選ばせてくれた、終わらせるためだけの行為だったのに)
身もだえするような、せつなさ、かなしさ。俺は失うことで、それを得たのだ。あの人がくれた唯一のものは、苦しくもそう悪くもなかった。時々俺はそれを掘り返し、とっくに死んだ恋を静かに悼む。心が死なねば終わらぬ恋だ。終わらせたことに後悔はなかった。
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別れジノザキはこの先100%くっつくから(震
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