お花結び

Just another WordPress site

*

文学妄想お題ったー詰め 4

【23928文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年7月の17本分。最後のやつだけ本誌ネタバレ的なSSになっています、注意。

【お題】北原白秋「断章」

あなたは北原白秋作「断章」より「汝はかなし、のたまはぬ汝はかなし、ただひとつ、一言のわれをおもふと。」でジノザキの妄想をしてください

<SS>

「ところでザッキーは好きな人いるの?」
「は?なんでそんな事を……いるわけねぇし、いてもあんたに言う義理なんて」
「義理はあるよ。ボクはキミの飼い主だもの」
 至極真面目にジーノが言うので、赤崎は呆れてモノも言えない。
「ねぇ、いるんでしょう?」
「……」
「ザッキー?」
「知りませんよ!ほら、次王子の番ッスよ!」
「え?あぁ……」
(くそ、練習の合間にこんな目に合うだなんて)
 思ってもみなかったジーノの問いに窮する赤崎は、人知れず小さな溜息をつく。ここ最近シュートの練習の際には偶然を装いジーノの後ろに並ぶようにしていて、赤崎はその事をジーノに腐されたのだろうかと、わからないながらもそう思った。
(フォーム盗もうと思ってただけで別に他意は……でもあれかな。やっぱ王子、俺に嫌な事聞いて追い払おうとしたのかな)
 毛嫌いされたかと気落ちした事で、集中力を欠いた赤崎のボールはバーの上にすっ飛んで行く。それを湯沢が大袈裟に見上げて、やれやれという口調で文句を言う。
「赤崎ぃ、枠~」
「わかってるよ!」

 またジーノの後ろに並び直すのが気まずく、赤崎はさりげなく水分を取りにいった。少し列から離れる事で、気持を落ち着かせる算段もあった。
「暑いよね、ボクにもくれる?」
「なッ!」
 振り向けばそこには眩いエースで、赤崎はうろたえながらも無表情を装いボトルを差出す。
「驚かせないでくださいよ。あんたホント気配がないから」
とジーノに言った。
(なんであんたまで来るんだよ!これじゃ意味ねぇだろ!)
「ありがと」
(ありがと、じゃねぇよ。人の気も知らねぇで)
 渡したボトルから口元へと流れる一筋の水路は、逆光も相まってCMのようだ。けれどその昼間の明るさに反して、注ぎ込まれる唇は目を伏せねばならない淫靡をはらむ。
(あ……やべぇ、俺今何考えて……)
 ゾクリと変な悪寒(?)が走って、それを誤魔化すのに水をかぶった。フルフルと頭を振れば水滴が散って、
「やだ、やめてよザッキー、かかっちゃうだろう?」
などと。

「あれ?ねぇ、待ってよ、どうかしたのかい?」
 恥ずかしくて振り向けぬ赤崎の背を、乱暴に投げ出されたボトル2本と、意味深な笑みのジーノがジッと見ていた。


確信犯\(^o^)/
そしてぶったぎりえもん/(^o^)\

[maroyaka_webclap]