文学妄想お題ったー詰め 4
【23928文字】
文学妄想お題ったーで一日一ジノザキ。2015年7月の17本分。最後のやつだけ本誌ネタバレ的なSSになっています、注意。
【お題】北原白秋「酒の黴」
あなたは北原白秋作「酒の黴」 より「目ざまし時計の鳴る夜に かなしくひとり起きつつ、倉を巡回れば、つめたし、月の光にさく花。」でジノザキの妄想をしてください
<SS>
「何故いつも夜中に帰ってしまうの?ボク目覚ましで起きるの苦手なのに」
「だって朝まで王子んちにいて、一緒に家出るわけには」
「いいじゃない、別に」
「いいわけないでしょう!」
「?」
なんだか王子は時々雑だ。それが嬉しくも、なんだか困る。
「一人部屋一人部屋うるさいあんたの家にですよ?俺が泊ってたら絶対変に思われる」
「変かな」
「変ですよ!」
「じゃ、言い直す。変じゃ駄目かな」
「だ、駄目に決まってるでしょう!?」
「何故決まってるの?」
「だからそれはッ」
王子と話していると言葉に詰まって、俺が悪いような気がしてくる。
「いいじゃない、別に」
これは王子の口癖だ。
(あんたはよくても、俺は困まる!)
いつも俺は心で思って、でもそれを口に出せはしない。何故なら、
「何で困るの?」
と王子に問われてしまえば、二人の関係は壊れてしまう。
(王子は色んな意味でフランクだ。別に隠すでなし、言ってまわるでなし。だから卒なく関係は続いて、でもそのバランスが崩れたとしたら?)
俺は王子程強くはなかった。別に恥ずかしいとか思いもしないが、やっぱり後ろ暗さは払拭しきれず、俺は二人の関係を二人だけのものと、ひっそりそんな風に楽しみたかった。
「いいじゃない、別に。寂しいんだよ」
「……」
「幸せな気持ちで眠りについて、なのに翌朝キミがいないだなんて」
王子は時折猫撫で声で、俺の心はグラグラ揺れる。目覚まし置いて迎えた朝に、王子は必ず遅刻をする。どんな思いで?と胸が痛む。
「ならザッキー、一度だけでいいよ。一度だけ二人で迎える朝が欲しいな」
「……」
「一度だけ。ボクに幸せの朝をくれない?」
*
「おやすみなさい、王子」
「おやすみ、ザッキー。絶対いてね?」
「わかってますってば、いい加減クドいッスよ?」
「だって」
夜更けに二人でヒソヒソ話。甘える王子に絆された俺は、一度だけだと約束をした。
*
(……もう朝か)
体に沁みついたタイマーが働き、自然といつもの時間に目が覚めた。王子はスヤスヤ眠っていて、それを見る度、毎回ときめく。
(しかし、しみじみ見てもイケメンだよなぁ)
俺は王子の顔が大好きだった。自分の顔がシンプルな分だけ、個性的でありながらバランスの絶妙な、王子の全てに憧れた。ただそこに寝ているだけの顔にも、何やら意味深な知性が見える。たまにはそれをじっくり見ようと、俺はウソ寝を決め込んだ。
(目覚めた時一人じゃ寂しいって言ってたよなぁ……それがどんなのかも見てみたいけど、喜ぶ顔がもっと見たい)
*
「……ああ、ザッキー、本当にいてくれたんだね。ボク嬉しいよ」
寝たふりに気付かず王子が言って、俺は少しだけ薄目を開けた。そこには蕩けそうな微笑みがあって、なんだか気恥ずかしくてまた目を閉じた。
「全く素晴らしい朝だ」
(……ん?)
喜びのあまりキスする王子は、なにやら少し変だった。
(ちょっ……待てよ、何し……っんッ)
ただのキスかと思っていれば、何やらそのままペロペロ舐められ、当たり前のようにその長い指は俺の胸元をまさぐった。
「……お、おうじ、ちょっと」
「ザッキー、おはよう?起こしちゃったかい?」
「起こしちゃったかいって、あんた、……ぅんッ」
「いい朝だねぇ、ザッキー、幸せだ」
「はなッ、あ、こらッ」
「朝っていいよね、ここもいきなり元気だし」
「だから、朝っぱらからどこ触って、」
「いやだなぁ、二人の朝だよ」
「何言っ……、だ、め……」
「寝起きのキミもすっごく可愛い。ねぇ、もっとキスして、ギュッして、そんで、もっともっといい事しよう?」
とても幸せそうにそれをするので、俺は全身されるがままだ。
「おう、じ……あんたの、言う朝……まさか、こういう……?」
「そうに決まっているでしょう?今更何を」
「うそ、だろ……マジ、……あッ、入っ」
「夜したばかりだから、まだキミのここ、いやらしいままだよ?」
「あ、……やめ……」
「ねぇ、ほらいきなりで2本ともこんなにまるまる」
「ひッ」
「思った通りだ。やっぱりキミ朝の方が感度いいね。眠って体力戻るからかな?」
王子の言う通り俺の体は、意思に反して甘く悶えて、もっと、もっとと王子をせがんだ。
「うん、いいよ、一杯キスしてあげる」
下を指で犯されながら、俺はベロを出してキスを求めた。
「ふ……ぁ……」
王子はうっとりと口内を舐めて、そのクチュクチュとしたわざとらしい音は、耳から入って鼓膜を犯した。片足をあげられ大股開きで、王子と俺のそれも淫らに絡み、俺はあまりにも全身が昂り、今にもイキそうだと助けを乞うた。
「駄目だよザッキー、それじゃ二人の朝にならない」
「あ……ぅ、」
「だから」
「ああ!!」
激しい挿入とともに根元を握られ、そのままいきなり犯され始めた。いつもにも増して太く固いと感じるその圧迫に、みるみる俺はイキそうになって、なのに道筋強く塞がれた状態では、肝心なものを吐き出せなかった。
「いや……苦、し……」
絡みついた呪縛の指先を解こうと必死に試みるのに、指先の力は入らなくて、かわりに解放を求めて腰が揺れた。
「気持ちいいでしょう?ああ、ほら体が朱に染まって綺麗」
そのまま延々、王子の気が済むまで俺は嬲られ犯され続けた。
*
ようやくその時を迎えた瞬間、俺は思った。
(やべ、死ぬ……)
それくらい眩暈がする程の強烈な快で、完全に俺は我を失っていた。
*
「ありがとう。いい思い出になったよ」
王子があの朝そう囁いて、けれどもその後の俺達といえば。
「おはよ♪ザッキー」
チュ、と頬のキスで目覚める。いや、起こされると言っていい。
「王子、今日は駄目ッスよ、だって昨日あんなに……ッ!」
「だから尚更熟れてると思うよ、キミの体」
「ん……」
朝のセックスに二人はハマって、結局何度も時を過ごした。
「朝のキミって、本当にエッチだ」
*
「チクショウ、マジであんたに騙されちまった」
たった一度の朝のはずが。
王子は蕩ける笑顔を浮かべて、俺に言った。
「一度でもチャンスがあればボクの勝ちさ」
いつも、いつでも、王子は我儘。上手に俺を翻弄する。
(幸せそうな顔しやがってまぁ……ったく、どうしようもねぇ人だな、王子って)
どちらがどちらでなく俺らは当たり前にキスして、ギュッして。そうして、もっと、もっとと強く激しくと、おんなじくらいに求め合った。確かに俺もまた幸せの最中で、王子に負けず劣らず蕩ける笑顔をあの人に向かって見せていただろう。
—
エチー挑戦なるも、うーむ
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