切なく、悲しく、愛おしく
【26180文字】
視点交互。今回はかなり自分に気弱な番犬と、強情なくらいに頑固な飼い主です。多少?二人とも病み系ですかね。謎試練とそれの克服もので、でも構成そのものが肝なんで、あんまり事前説明が出来ません。ごめんなさい。2回読んでくれたら嬉しいです。個人的にはベッタベタのハピエンですけど、一応特殊タグ入れました。
長い割にはちょっと流れ的に端折り過ぎた感じもあるので、いつかやれたら書き直します。
「約束が違う」
と怒るので、謝りつつも笑ってしまう。
「一晩中って約束したのは、俺とって話のはずだったのに!」
「でも、ちょっとフライングなだけじゃない?それにまだ夜は終わってな……痛っ」
乱暴に枕を投げつけられて、別によけても良かったけれど。
「今から続きを、こら、痛いってっ」
目をつりあげて、爪を立て、けれどもされるがままの君。
(ああ、凄い……ザッキーだ……)
キスで脳の奥が痺れる。あまねく僕に恋を重ねた、僕のザッキーがここに居る。
(さっきまでもあれだったけど、ああ、なんかヤバいかも……)
彼は僕を欲しがる割には、それに怯える性質だった。今はあまりに率直に、情熱的に煽りさえする。こうなりたいと考えていた。それが自然と長らく願った。なのに、実際そうなると、あっという間に足を取られた。心理的な空転だろうか、それともまるでダンスのようで、暴力でなく、乱暴でなく、僕達は正しく愛し合い、癒し、癒され、溢れ、満たされ、それほどまでに彼の夜明けは、眩暈がするほど眩く思えた。
肩で息する疲弊の僕を、そっとザッキーが抱き締めていた。僕達は勝利を味わっていて、けれど何に勝ったというのか?試練であったということだろうか?思考の力もまるでなかった。
