愛情たっぷり?酒酔夢
お花見三部作の続き。泥酔して勢いのままエチーしてるだけのジノザキ。ふざけたり、真顔になったり、喧嘩したり、二人とも自分だけはシラフなつもりですが、おんなじくらい頭のネジぶっ飛んでます。
快楽ではなく苦痛そのものを目的とした出鱈目なジーノの行為が偶然赤崎のとある箇所を刺激した時、いきなり罵倒と文句ばかり吐いていた赤崎の口先から甘い叫び声が飛び出した。
「…んっ◇○×!!!」
「あ、ザッキー、駄目ッ」
後ろ手に締め上げられた腕が痛むのも厭わず、赤崎が弓形になって体を跳ねさせる。その動きに焦って咄嗟に拘束を解いたジーノだったが、だらしなく口元をゆるめ恍惚の表情を浮かべたままの赤崎はそのことに気が付くことがなかった。キュッと腿裏の筋肉に力を込めたことでうつぶせ状態の赤崎の下腹部は強くシーツに圧迫される形となり、ジーノは自分の指先を赤崎の内部にきっかりと捕えられた状態で、赤崎の描き出した美しい背面の曲線に魅入られるばかりになった。
「あ…あッ…あ!いぃ…!!」
無意識にガクガクと震える体。身動きのとれなくなったジーノの指先は赤崎自身の随意的な動きによって内部からの刺激を次々に生み出し、押し潰された熱を帯びた下腹部は肌触りの良いシーツの感触から表現しえない快楽を滔々と吸い続けた。急激に生じた体を貫く快感が気持ちよくて、気持ちよくて、助けて、王子助けて、と恐怖のあまり声のない悲鳴をあげた。あんなにイって終わりにしたかったというのにこんな形でそれを迎えることなど思いも寄らず、今はあり得ない刺激がもう恐ろしくて仕方がなかった。
「ザッキー、ザッキー?どうしたの?こっちみて…大丈夫?」
「う!…あ…、あぁ…い…やだ…」
両肘ついて快楽に身を竦ませ、震えるばかりの赤崎は朦朧の中でチラリと視線を横に向ける。すると今まさに助けを呼んだジーノの姿がそこにあった。左手をとられたままの男は引き攣る赤崎の側面に片膝ついて回り込んでいたのだ。しかしすぐそこにジーノがいるのに、赤崎の助けを呼ぶ言葉は男の耳に届くことがなかった。全て嬌声でかき消されていくばかりだった。
(王子、俺に何した?……い…や…これ…わかん…な…やめて…助けて…怖い…王子…イク…イっちゃ…)
喉を晒すように高く顎を空に掲げた哀れな子に、ジーノは今までで一番深い情感を込めた睦言を届けた。
「ザッキー、…急に吃驚したよ。気持ちよかっただけか…フフフ、いいよ?そのまま…もっとボクの指先に感じてみて?ここ、きゅってしたらそんなにいいの?」
「…ぁ!!!」
「ボク男の子初めてだから、こんな場所にもちゃんと性感帯があるなんて知らなかった。面白い…フフ」
「□○!ぃ!…!」
衝撃が始まったキッカケである腸壁の一か所を今度は意識的にジーノが巧みに嬲り始めた。その内側からの未経験の蠢きの感覚はまさに犯されると表現するに相応しい。
「大丈夫だよ?痛くしないよう気を付けてあげるからリラックスしてね?キミの…今の、気持ちいい、それ…ね?触られてるとこ…もっと意識してみて?そしたら、ドンドンよくなっていくから…そんなに好きなら一杯いじってあげるね。フフ、嬉しい?…キミが喜んでるの見ると、ボクも嬉しいよ」
赤崎は全力で叫んでいるつもりでありながら息を吸ったまま吐けなくなっていくだけだった。そこからの涎と目尻に滲んだ涙が無力に垂れ落ちていく。
(俺…今、王子に…犯されて…る…んだ…)
急にそのことが圧倒的なリアリティを以って赤崎の全てを支配していった。ままならぬ官能に溺れるレイプ。今の感覚はまさにそういうものだった。
「ここまでなるの、初めて?でももっと、ほら…まだまだ、キミはもっと…満ちる…はず…そうそう…フフ…楽しい…もっとさ、奴隷みたいに…ほら…もっと上手に貪れるだろう?そうそう、いい子だ…すごい…今ね、キミの全身が喜んでるのわかるよ。すっごく気持ちよさそ」
ウットリとした甘い声は奉仕の姿をしていながら、やっていることといえば悪質ないたぶりともいえる渋難を呼ぶ行為の数々だった。優しい男に隠された残虐がこれほど簡単に暴かれてしまったのは、艱難に喘ぐ赤崎の姿に人里離れた岩山に紛れ込む秘石のような毒の魅惑があったからだった。混じりっ気ひとつない高純度の赤崎の中の気丈、その高潔は、それを蹂躙し狩り尽したいという男性本来の闘争本能を激しく刺激する作用を秘めていた。つまり、今、ジーノもまた、ままならぬ己の中の獣性に翻弄されながら、困惑と狂乱に喘いでいる最中であったのだった。全く手加減出来ないままに蹂躙を心底楽しんでしまっていた。
「あぁいいね…うん、限界…?…ザッキー?でももう少しギリギリまで…フフ、そう、強い子だね…聞いてる?」
YESともNOとも、勿論返事など出来るわけがなかった。その様子にさも満足そうに舌なめずりを一つしながら、ジーノは言う。
「…キミって…ホント、いい、すっごく…ねぇ、こんなにされて…まだ正気失ってない…強情だなぁ…フフフ、いいよ、…いい」
「…んぅ…!」
「じゃあ…ねぇ…ボクの指に酔って…そのまま…イってごらん?ボクが力づくでぶっちぎってあげるよキミの理性。キスが合図だよ?出来るよね?それまではそのすっごく綺麗で細い理性の糸、手放しちゃ駄目だよ?キミが勝手に負けるんじゃなくて、ボクが攻略して勝つんだ。わかった?」
「!!」
ジーノには獲物の返事など別に必要なかった。赤崎の頬を垂らした涎ごとベロリと舐めあげるようにした後、ジーノの舌先は赤崎の口内を一気に蹂躙する。
「…ぃや…、ゆ…る…し…」
朦朧とした目付きになりながら甘い舌先と内部をまさぐる指先に痙攣しながらも、赤崎は容易に達することはなかった。ギリギリまで追い詰められながらも、それに至るには肝心な部分をシーツに押し付けるだけの刺激では足りなかったのだ。本人もジーノの指示通りイッて終わりにしてしまいたいのに、自分の手で擦ったり、腰を動かして自力で摩擦を増やして局部の快楽を追おうにも、全身を襲う見知らぬとめどない絶頂感による麻痺がそれを許してはくれなかった。赤崎は今、陸に上がった魚のように体をひくつかせているだけとなってしまっていた。
「チッ」
赤崎が思う形で達しなかったのでジーノは小さく舌打ちし、今度はシーツと浮いた上半身の隙間から強引に右手を差し入れた。腹部に襲うゴリゴリとした痛みに、効力の薄い自慰をシーツで行う状態にあった赤崎が反射的に腰を引くと、それを利用してジーノは右手を一気に目的の場所に到達させ、直接赤崎の敏感を攻撃的に揉みしだいた。今しかない、というタイミングで行われた、初めての接触、蛇のようにいやらしい手淫だった。
「あぅ!!駄…あッあッ!ッイ…イくッ!!」
喘ぎ喘ぎ、精一杯の言葉を連ねながら、まるでそうしたくてたまらなかった様な形で理性はあっけなく吹き飛び、今まで戯れていた時間の中で赤崎が一番眩しく輝く瞬間がやってきた。気持ちよくて震えるほどの歓喜を伴って抵抗し続けていたはずの敗北が一気に訪れ、不快と快の激流が赤崎を見たことのない世界に連れていった。長い長い時間をかけて抑制され続けた射精はこのまま止まらないのではないかと思う程ドクドクと激しく、生き物のようにリズミカルに続く大量の吐精は、腹の下にあるシーツと滑り込んだジーノの指先をジットリと濡らす。ヒクヒクと哀れに痙攣と弛緩を繰り返す赤崎を眺めながら、ジーノの左手はようやく解放の時を迎えた。
理性の細い糸とともに自分自身も手放した赤崎は目も開けていられないほど脱力し、半分意識が飛んでいた。されるがままの人形のようにベッドに転がる姿に満足したジーノは、後戯とも言えるやんわりとしたキスを耳裏に行った。そうしてゆっくりとした所作で赤崎を仰向けさせると、
「ちょっと休んでいいよ、お疲れ、ザッキー」
としれっとした風情で声を掛けた。
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