お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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ルイジ吉田withわんこ

【45600文字】
がっつりパラレルぐっちょりエロ、人族が犬族を支配するカースト社会で大金持ちの人族ジーノが二匹の犬族を手に入れるところから始まる童話風SF(童話風?SFか?)
考えながらの書きっぱなしで色々おかしいけど手のつけようもなくもはや推敲していく気力なし。いつも以上にライトな目線、完全に暇つぶし程度のお気持ちでご覧ください……二人とも選手じゃないの書いたのってもしかして初?かな?

        ジノザキ ,

奇跡という名の

「あー!もう!ほら王子、外こんなに天気いいのに」
遠くで誰かの声がします。
「ったく、いつまで寝てんだ、この人は」
キンキンと尖って耳に刺さる、それでいて懐かしくも愛おしい声。
「駄目元でもう一回声掛けてみるか。せーの」

「起きろ―!このねぼすけ王子!」

 体がガクンとなった拍子に、ジーノの意識が戻ってきました。
(え……?)
眩しいほどの強い光。視力が全然機能しません。状況の理解出来ないジーノは混乱しながら、手で軽く目を覆います。
「あ、やっと起きました?」
この世で一番聞きたかった声です。でもそんなわけがないのです。さなぎの傍にずっといました。今もそこにいるはずなのです。
(待って……どういう状況なの……?)
戻った記憶はありません。これは幻覚かもしれません。眠った記憶もありません。でもこれが夢ならば。
「こら、寝汚ぇなぁ、こっそりまた寝ようとしてるでしょ」
(……)
もしこれが本当に夢ならば。
(何これ……なんでこんなにドキドキして……)
声は甘くも苦しくて、初めての感覚に戸惑います。そんな中、強引に布団を剥がれ、驚きのあまり顔を上げます。
「……ザッ……?」
「何スか?顔、変ッスよ?」
「……」
時間の感覚がありません。頭もうまく回りません。ジーノは言葉が見つからなくて、とても間抜けな返事をします。
「顔が変、ってどういうこと?」
「いや、変っていうか白いなぁと。寝起きで血の気がねぇのかな?あんた朝いつもそうでしたっけ?」
「……」
「聞いてます?」
その拍子にまた体がガクンとしました。そうです。これは明らかに。
「……ねぇザッキー、それやめて?」
「は?」
「多分、それのせいだと思う」
「だから何スか?言ってる意味が全然」
「……っ」
「王子!?」
ジーノは胸を押さえて空吐きをして、ザッキーはびっくりしながら駆け寄ります。
「大丈夫ッスか?王子あんた体の具合が?」
息を詰まらせているようなジーノの背中を、ザッキーは必死で擦りました。それが良かったのか少し治まり、息絶え絶えの中ジーノが言います。
「待っ……ザッキー、少し落ち着いて……」
「落ち着くのはあんたの」
「う……っ」
「王子!?ああ、俺誰か呼んできますね!」
「違……」
部屋を駆けだそうとするザッキーの胸に、パチンと不思議な感触が。どこからともなくジーノの声が、ザッキーを包むように響きます。
(そう……ゆっくりこっちに。お願い、しばらくでいいから大人しくしてて)
いつになく弱いコマンドに、ザッキーは不安になりました。
「王子……」
圧は全く感じられません。甘くて優しく、うっとりします。命令ではなくお願いでした。ザッキーはちゃんと自分の意思でそうっとジーノに近づきます。
(そう……そのまま。いい子だね)
ジーノは確かにまだ青白く、でも透けるように綺麗でした。
(おいで)
そう言い差し出すジーノの手を、そっと掴んで跪きます。親の看病をする子のようでもあり、神に傅く信者にも見え。
「……ザッキー」
「はい?」
「平気?」
「?」
「ううん、自分で見る。いいかなザッキー」
逆光でジーノの輪郭が、まるで光に溶けていくよう。ザッキーは意味も分からず惚けて見ていて、そうしたらジーノが言いました。
「すごい、全部治っ……」
ジーノが縋りつくように抱きついてきて、ザッキーは落っこちないようにと慌てました。そんなこと全然気にも留めずに、ジーノは言葉を震わせています。
「良かっ……ザッキー……本当に」
「??」
ジーノの様子は明らかに変で、とりあえずザッキーはしばらくしてからジーノをベッドに戻しました。ゆっくり休ませようと横たえて、布団を掛けてやろうしました。でもジーノがどうにも離れません。
「王子……?あの……」
再び胸がパチンとします。とても優しく心地良い。ザッキーは願いを受け止めベッドの中へ。
(えと……、なんかいつもと逆なような……)
 それでもこうしていると温かく、とても穏やかな気持ちになります。ジーノはうっとり満足そうで、頬に血色も戻ってきました。
(あ、王子また寝た?……まぁいっか、調子悪いのかもしんねぇし)
さっきまで一緒に寝ていたはずで、でもなんだか随分と久しぶりなような気もします。かといってそうでない気もするし、なんだか変な感じです。
(昨日、おかしなもんでも食ったかな?あれ?昨日?俺何してたっけ?)
忘れっぽすぎる自分に苦笑し、ああ、そうだ、と思います。
(そうそう、本式の登録の話。あれ以来ずっと有耶無耶だけど、王子もなんかこんなだしそれどころじゃねぇよなきっと……)
ジーノのことは心配ながらも、登録のことを考えているとやっぱりなんだかワクワクします。どんな鑑札になるんだろうか?手続きはどんな感じなのか?バッキーに言うのはいつにしようか?登録後の散歩を想像すると、それだけで顔がニヤニヤします。
(あれ、なんか急に……)
突然瞼が重くなって体もまるで鉛のよう。ガソリンの切れた車のようにドンドン意識が遠ざかります。
(もっと考えていたいのに……あ、もう駄目だぁ……)

*

「おはよ、ザッキー。さっきはごめんね?」
気付けば、ジーノが美しい笑顔ですぐそこに。
「そしておめでとう。いい朝だ」
いい朝がそんなにめでたいのか、ザッキーが首を傾げます。
「もしかして全然わかってないの?」
「?」
「こんなに変化したのにかい?」
さらりと髪を撫でられて、ザッキーが初めて気付きます。
「え!?なんだこれ?なんで急にこんな長く??」
ジーノはクスクスと笑っていて、それじゃないよとザッキーに言います。
「は?」
「登録がちゃんと終わったってこと」
「は?役所に言った覚えは……」
「見てごらん」
ザッキーのローブの胸元にジーノが指を差し入れます。
「え?」
パチンと響く感触の源。そこにはまるで黒曜石のような輝く紋様が肌に浮かんでいました。
「それが君の鑑札だよ」
プレートだったり、宝石だったり、さまざまな鑑札をみたことがあります。でもどれよりも繊細細工でとても美麗で、そして自らが光を放つように中から輝いているようにも見えました。
(入れ墨?違う……これ、体に埋まってる……?すごい……こんなの今まで見たことない……)
感動のあまり言葉を失う、愛おしい子にジーノは言います。
「まぁ、僕ら以外には見えないけどね。念のために形式上の登録も済まそう。みんなに見える鑑札はどんなのがいい?」
うっとりと黒曜に触れているので、ザッキーがどれほどの思いで願っていたのか、あらためてそれが伝わってきます。ザッキーは本当に幸せそうで、ジーノも嬉しくなりました。途中沢山の後悔をして、自分の全てを自分で呪い、でもこんな姿一つでなにもかもが報われた気もします。
「ねぇ、僕のも見てくれる?」
「王子の?」
ジーノもまだ自分で見ていません。
「そう……君からの贈り物」
「俺が?」
全く記憶がありません。
「王子……これは一体……」
すらりとはだけたその胸元には、ルビー色の紋様がありました。形はすらりとシンプルで、でも血のように色濃くそして強い。
「素敵……まさに君そのものだ」
みんなにも見せて歩きたいなんて言って、でも僕だけのものだからとうっとりと笑い。
「ああ、ザッキー驚いた?」
話が見えず戸惑っている、ザッキーの印に触れました。
「言ったろう?本式の登録をするんだって。これが本来の形なんだ」
「……?」
「大丈夫、今日からすべてを理解出来る。君とは道が出来たから」
ジーノは自らの印に触れて、その感触にザッキーがゾワリと鳥肌を立てた。
「な……?あっ……」
「皮膚に浮かぶのはいわゆる氷山の一角。贈り合った量は膨大だ」
「あ、あっ……」
「君と僕とはもう同じものだ。死がふたりを分かつまでね」
印への愛撫は心へのキスで、ザッキーは息も絶え絶え震えています。ジーノはその快感に感応し、一緒にふるりと身を震わせました。
「まずは祝福のキスをしよう。後のことは後でいい」
抱き合い、体を絡ませて。
「おう、じっ」
互いの紋様が接触を果たした時、強烈な快感に包まれました。ザッキーは完全に真っ白になって、その刺激だけで達していました。

      ジノザキ ,