お花結び

GIANTKILLING二次創作小説同人サイト

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ルイジ吉田withわんこ

【45600文字】
がっつりパラレルぐっちょりエロ、人族が犬族を支配するカースト社会で大金持ちの人族ジーノが二匹の犬族を手に入れるところから始まる童話風SF(童話風?SFか?)
考えながらの書きっぱなしで色々おかしいけど手のつけようもなくもはや推敲していく気力なし。いつも以上にライトな目線、完全に暇つぶし程度のお気持ちでご覧ください……二人とも選手じゃないの書いたのってもしかして初?かな?

        ジノザキ ,

犬と枕、人と犬

 体はすっかり良くなって、バッキーも元気に遊びに来ます。向こうのおうちも楽しいそうで、沢山お話をしてくれました。
(良かったなー、バッキーすっげぇ幸せそう)
あの日はなんだか変でしたが、今日は素直に喜べました。元から風邪気味だったかな?そんな風に思います。
 今日は向こうの犬達も沢山来ました。人見知りのはずのバッキーがすっかり馴染んで、隠れ人見知りのザッキーも気後れしつつもエンジョイしました。
(なんか、すっげぇ楽しい)
柄にもないほどはしゃぎました。かけっこもボール遊びもみんな上手で、時を忘れるほどでした。
「また来ますね」
バッキー達が帰った後に、急に寂しくなりました。
「……もう少し僕と一緒に遊ぶ?」
「!」
優しさに思わず飛びつきたくなるザッキーでした。

*

遅いお昼寝お散歩ご飯。夜はなんだかソワソワします。気になることがありました。聞いたら教えてくれるでしょうか?
「ああ、聞きたいのか。薬の話」
甘くてぽーっとなる匂いが、いわゆる犬のお薬でした。投与は法律で決められています。じゃあ、それを止めるのはいけないことでは?
「まあね。でも別に罰則規定は特にないし」
ちょっと心配になるザッキーです。
「平気だよ。そもそもあれは制御用なんだ。君達を服従させるための、つまり毒?」
それを聞いて驚きます。
「人は君達が怖いんだ。好きだけど怯えて暮らしてる」
「……」
「目利きの価値を知ってるかい?」
もちろん、ジーノの才能です。
「つまり、薬抜きに耐えられる、それが君達の価値なんだ。僕にはそれが見えるから、自分の役割と思っているよ」
優しく頬を撫でられて、額に、ちゅ、とまたキスされます。ザッキーはこれがとても大好き。価値ある自分を感じるからです。
「減薬は結構簡単なんだ。でも断薬に耐えた子は今までいない。君には頑張って欲しいんだ。無理はさせたくないけどね」
「俺、ちゃんと頑張ります!」
「ん、いい子」
ザッキーはなんだかワクワクしました。鑑札を持たない犬ではあっても、ジーノは自分を選んでいます。どんなことでもきっときっと、やり遂げたいと思います。
「ね、今日はお部屋に行ってもいいかい?」
もちろんですと頷きました。沢山喜んでもらいたいし、自分も一緒にいたいのですから。
「ありがとう。じゃ、行こう」
話は嘘ではありません。でも、それがすべてでもありません。
「ほら、走らない」
ザッキーはジーノが大好きなので、疑う術などないのです。

*

ちょこんとベッドに座る子に、ジーノは優しく話します。
「ザッキーはすっごくお利口だよね?」
突然褒められると照れてしまいます。
「今からのお話は難しいけど、ちゃんと聞いてくれるかな?」
もちろんです、と頷きました。ちょっとドキドキしています。
「バッキーもザッキーも薬の耐性が結構強い。まあ、あまり効かないんだね。そのせいか大量に投薬を受けていて、重篤な症状が出ていたよ」
「重篤」
「それを短時間に解放するわけだから、かなり苦しむだろうと思う。少しは助けてあげられるけど、基本は自分の頑張り次第。理解をしていて欲しいんだ」
ベッドにいるとソワソワします。
「ところで枕だけれど、上手に使えてるのかな」
頬をかっと赤く染めて、ザッキーはぎこちなく固まります。ジーノにはその様子を見られています。沢山の犬を知る人が言うなら、とっても下手なのかもしれない。
「大丈夫。少しずつ慣れていこう」
そう言われてホッとしました。ジーノはザッキーを急かさないので、そういうところも大好きでした。
「でね?ここからは相談なんだけど」
「?」
「犬に枕って言葉があるよね。じゃあ、その続きがあるのは知ってるかい?」
「……いえ」
「人に犬って言うんだよ?」
「人に、犬……?」
「そう、人は犬に甘えるの。寝室で一緒に過ごすのはそういう理由があるんだよ」
「そうなんだ……」
「本来医学的な意味がちゃんとあるんだけれど、鑑札はまあいわゆるそれの契約で」
なでなでされると気持ちがいいです。ザッキーはうっとり目を閉じます。
「まだ君は解除の途中だけれど、ちょっとチャレンジしてみない?……君はうんと可愛い子だから結構我慢をしてたんだ」
枕に甘えるのは気持ちがいいです。ザッキーはそれを知っています。ジーノはそれをしたいのです。ちゃんと理解出来ました。
(俺が人の、王子の枕になる?)
初耳の話ばかりで緊張しますが、それでもとっても嬉しくて、ジーノにぎゅっとハグをされれば全身の力が抜けました。
「いつも通りにしてていいよ。途中で嫌な感じがしたら言おうねザッキー、遠慮しないで」
何よりザッキーは挑戦が好きで、ジーノを信頼しています。
「わかりました」
と笑ってみせれば、ジーノもにこっと笑いました。
 抱き締められて、すりすりされる中で、枕になるよう専念します。
(わあ……あむあむされんの、気持ちいい)
ジーノが自分に甘えています。とても光栄な気分です。
「……えっと」
思わずうずうずしていると、ジーノはザッキーに優しく言います。
「君も僕にしていいよ」
「……いいんスか?」
「もちろん」
嬉しくて、でも慣れなくて。おずおずそれをやりこなせば、お利口だねぇと褒められます。大好きな言葉のひとつです。
(王子、あったかい)
思わずうとうとしてしまうので、いけないと頑張って我慢をしました。ジーノはクスクス笑います。眠っていいよと撫でられて、気持ちが幸せになりました。
「俺、枕より王子を抱っこする方が好きかもしんねぇ……」
「ええ?本当?すっごく嬉しい。そんなこと言えた子初めてだ」
枕を手放せる犬はいません。犬用に開発された悪魔の薬は依存性を強めてあるせいで、基本断薬は不可能なのです。ザッキーがやろうとしていることは、前代未聞の挑戦でした。
「いい子、ザッキー。偉いねぇ」
「……?」
「このまま?それとも出して寝る?」
もう体力の限界です。今日は沢山遊んだし、毎日とても怠いのです。
「それより眠い?ならこのまま。薬を抜くのはすっごく大変だから。ゆっくりおやすみ。可愛いザッキー」
今日はとてもいい一日でした。ザッキーは本当に甘えるのが下手で、でもすっごく甘えたで。今日はジーノが沢山かまってくれて、きっといい夢を見ることでしょう。

「薬でだらしなく弛緩しきった子(犬)には興味がないんだ。君には期待しているよ」

      ジノザキ ,